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おぢばにおかえり

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第六十九話 先輩達と会ってもその十九

「その人達から自分が何を見せてもらっているか」
「そのことを考えることですね」
「大事なことはね」
「ふせこんでいってですね」
「そういうことよ、わかってるじゃない」
「おみちの勉強もさせてもらっているので」
「それじゃあね、そもそも新一君が先輩達に何かされた訳じゃないのに」
 それでもです、私は思いました。
「あそこまで嫌うっていうのもね」
「おかしいですか」
「それで自分がされたら何するのよ」
「遥かにですね」
「そうよね、その癖性分は本当にいんねんね」
 つくづく思いました。
「だからいいわね」
「なおしていくことですね」
「そうしていってね」
「そうしていきますね」
「ええ、何かあったら言ってね」
「そうさせてもらいます」
 こうしたお話をしながら詰所に戻りました、すると白石さんが私と新一君を見てこんなことを言いました。
「楽しいって訳じゃなかったみたいだね」
「楽しいっていいますと」
「二人の顔を見たらね」
 表情をというのです。
「わかるよ」
「表情ですか」
「うん、阿波野君がにこにこしていないしね」
「真剣なお話してました」
 新一君が白石さんに答えました。
「ここに帰るまで」
「やっぱりそうだね」
「僕のいんねんのことで」
「阿波野君のいんねんは相当じゃからね」 
 白石さんは広島弁を出してきました、この人は広島の大きな教会の人ですから方言もそちらになります。 
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