ライブジャスティスシリーズ
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ブレイクゲーム
五河カメンライズ/失った物と手に入れた力
士道「どこだ、どこにいるんだ!!十香!!」
何度も走り回る家の中、だがそこは士道以外に誰もいない。
士道は何度も十香の名を叫び、外へと飛び出した。
士道「戦いは終わったはずなのに、ここに感じるのは、血と哀しみ、それが続いてる……そんなはずは……」
士道が目にする赤い街、そこには人の気配はなく、ただの瓦礫が残る世界だった。
士道「十香、今、この世界の何処で泣いている……何故、帰って来てくれないんだ……」
途方にくれる士道、絶望する彼の耳に響くのは……
十香「士道……」
士道の目線の先に現れたのは……
よしのんを手に夥しい血を浴びた十香が立っていた。
士道「十香、そのよしのんは……」
十香「私、大切な皆を……皆を……殺した……」
士道「十香?!そんな……」
十香「そして今さっき、最後に殺したのが……四糸乃……精霊はもう私一人だけ……」
士道「どうして……どうして四糸乃まで!!なんで、なんで皆を手に掛けたんだ!!」
十香はその手に天使を召喚する。
だがそれは、鏖殺公ではなく、暴虐公だった。
十香「やめて……嫌だ……傷つけたくない!!」
士道「十香、一体何があったんだ!!」
十香「暴虐公が皆を殺す、私の身体はもう制御できない!!私を止めて!!助けて、シドー!!」
士道「十香!!」
暴虐公の凶刃が迫る、その瞬間……
ガバァ!!
士道「ハア、ハア……」
上半身裸のまま、まるで王国のベッドのような場所で目を覚ます。
士道「ここは……」
掛けられた上着を身に着けると、目の前の庭先へと出る。
整えられた花壇の中で、士道は考え耽っていた。
士道(あの夢は……一体……)
澪「目覚めたのね、士道」
士道「やっぱり、ここは隣界だったか」
澪「うん、やっぱりここに運んできて良かった……」
澪は士道の身体に抱き着くと、事の事情を話し始めた。
士道「シンとは呼ばなくなったのか?」
澪「あなたは士道であり続ける事選んだから」
士道「それで、あの後一体何が起きたんだ、十香たちやライブジャスティスの皆は?」
澪「士道、あなたはかつての世界、旧世界で精霊の疑似的な神への到達点に入り、新世界を創造した。でも代償としてあなたの仲間は精霊の力を失い、旧世界の記憶を継承したまま新世界に人間として転移した。でも士道はアドヴァンスゼロシステムの真の力の媒体になっていた影響で、肉体にダメージが大きく、持っていた精霊の力も、霊力のパスも失い、消滅するか否かの瀬戸際な危険な状態だったの」
士道「俺が……消滅……」
状況的にかなりヤバイ状況だったことを悟り、士道は戦慄する。
澪「でも、断片的に残っていた霊結晶の霊力の残滓を外部から齎された地球の記憶と共に繋ぎ合わせる事で消滅は食い止めた。もう大丈夫だよ」
士道「ありがとう、俺の為に」
士道に礼を言われ、笑みを浮かべる澪は士道にある話を突き付ける。
澪「そしてこれは話の続きなんだけど、アイザックとの戦いは、まだ終わっていない」
士道「え?」
澪はさっきとは一転して士道に強い眼差しを向ける。
澪「新世界では人類が手にした地球の技術、ガイアメモリが存在してる。使い方によって善にも悪にもなる極めて危険な兵器」
士道「そんなものが……」
澪「新世界でアイザックはガイアメモリの技術を悪用し、魔王の力を持つ10のガイアメモリを生み出した。その力を新世界でアイザックは適応者の人間に渡し、混沌を振りまいてる。ライブジャスティスは今、その事件の解決に奔走してるの」
士道は今のライブジャスティスの行動知る。
士道「進次郎さんたちが……」
澪はそしてとてつもない真実を告げる。
澪「そして、そのガイアメモリの内、暴虐公のメモリに適応した夜刀神十香が、その力で異形となって人を襲ってる」
士道「な、なんだって!!」
この時士道は話を聞いてあの夢を思い出す、十香が助けを求めている事を悲痛に感じながら。
澪「士道……」
士道は立ち上がり、その目に力を宿す。
士道「俺、行かなきゃ」
澪は再び戦いに赴く覚悟を決めた士道を悟り、澪は告げる。
澪「士道、あなたには二つの選択肢がある。一つは私の集めた異界の戦士たちと共に戦う未来。もう一つは、かつての仲間の下に戻り、新世界の人間としてやり直すか」
士道は突き付けられた選択に対し、迷う事無く告げた。
士道「決まってるだろ、俺は皆の元に戻る。俺と十香の居場所は、騒がしいあいつらのいる場所だから」
澪はその選択に納得し、士道に大きなトランクケースを授ける。
士道「これは?」
澪「力を失った士道の為の新たな力、十香を救い、アイザックを倒すための鍵」
澪は士道の前で謎のカーテン状の壁を展開し、士道を誘う。
澪「行きなさい、そして取り戻して、失った物を全て」
士道は澪に伝えた。
士道「取り戻す、必ず」
カーテンの先を潜り、旅立つ士道を見送った澪の背後に謎の男が現れる。
???「お別れは済んだか?」
澪「計画を進める、士道の為に」
新世界
士道「うわあああ!!」
???「なあ!!」
足を踏み外し、転倒する士道。だが倒れたその目の前には白い何かが目の前に広がる。
間違いなく、それはパンツだった。
士道「ごごごご、ごめん!!」
???「士道、士道なのか!!」
士道「え?」
初対面の女子に名を呼ばれる、士道はその少女にただ疑問を浮かべるだけだった。
士道「だ、誰……」
???「盟約を交わし崇高なる戦いを共にした戦乙女の名を忘れたか!!」
士道「!!」
士道はその少女を凝視すると正体に気付いた。
士道「まさか、八舞姉妹!!」
八舞「記憶の封印が解かれたか!!」
突然の事に驚く士道。
士道「一体何があったんだ?」
八舞「精霊の力を失った影響で存在が一つに統合されたようでな、盟友たちからは耶倶矢や夕弦と普通に呼ばれているが一応この状態ではかつての名、風待八舞を名乗ってる」
士道「そうか、それじゃあ、八舞と呼ばせてもらうよ」
八舞「うむ」
ダダダダダダ!!
士道「ん?」
地響きのような足音と共にやって来たのは……
琴里「お兄ちゃん!!」
士道「琴里!!そしてみんな!!」
かつての精霊たちが集まり、士道は静かに告げた。
士道「ただいま、皆」
琴里「お兄ちゃああああああん!!」
士道に抱き着き、大声で泣く琴里。
琴里「本当に、心配したんだから……」
二亜「運がいいね、少年」
折紙「お帰り、士道」
再会を喜ぶ中、狂三が士道のケースを凝視し、告げる。
狂三「士道さん、どうやら戻って来ただけじゃないですわね、まるで、再び戦いに行く様な?」
琴里「え!!」
士道は皆に告げる。
士道「澪からこの世界の事、全部聞いたんだ。俺はこの世界に戦う為に来た、十香を救う為に、アイザックと決着をつけるために」
折紙「その為の力が、それ?」
士道「俺も中身を見てないけど、一体……」
士道はトランクケースを開ける。
士道「これは!!」
琴里「ガイアメモリ……」
ケースの中には10本のガイアメモリ、そして無骨なガラケーと青いドライバーが入っていた。
そしてメタルプレートに彫られたこのドライバーの名は。
士道「ガンマドライバー……」
士道はガイアメモリを手に呟く。
士道「感じる、これは精霊の……」
???「話は聞いたよ、君が五河士道君か……」
士道「!!」
目の前に現れる異星人、身構えるも異星人は手を上げる。
???「怪しい者じゃない、安心したまえ」
士道「誰だ?」
???「私はゼットン星人・エド、ここ科学特捜隊日本支部を拠点にライブジャスティスを指揮している。君の味方だ」
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