恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百十九話 曹操、乳を飲むのことその二
「それを邪魔する下種は私が直々に首を刎ねてやるわ」
「流れが何だ!一本が何だ!」
夏侯惇は今にも剣を抜かんばかりだった。
「愛とはあくまで正道であるべきなのだ」
「そういうことよ。私は確かに女の子が大好きだけれど」
それでもだと。曹操は言う。
「想い人がいる娘には手は出さないわ」
「他の世界でもか?」
「取り合いをした記憶はあるけれど」
それはあるというのだ。
「そういうのは嫌いだから」
「そうなのか」
「そうよ。まあ恋愛談義みたいなのはそれ位にして」
「病のことだな」
「具体的に何をするの?」
曹操は怪訝な顔で華陀に問い返した。
「それが問題だけれど」
「乳だ」
華陀はまた誤解される様なことを言った。
「乳を飲むのだ」
「ええと、春蘭」
「はい」
曹操は瞬時に真顔になり夏侯惇に声をかけた。
夏侯惇も主の言葉に応えてだ。瞬時に身構えられる様にしていた。
その彼女にだ。曹操はまた告げた。
「首を刎ねて頂戴」
「畏まりました」
「待て、何故そうなる」
華陀もその曹操達に問い返す。
「俺が何をした」
「乳を飲むですって!?何馬鹿なことを言っているのよ」
「貴殿、我等に乳が出ると思っているのか」
「女同士では出ないぞ」
夏侯淵も流石に真顔で突っ込みを入れる。
「子供ができれば出るがだ」
「何故女同士で子供が出来るのだ」
夏侯惇は刀を抜く前に突っ込みを入れた。
「そんなことを言っては処刑も止むを得まい」
「そうよ。何考えてるのよ」
曹操はむっとした顔で華陀に告げる。
「訂正するならいいけれど」
「いや、訂正はしない」
「やっぱり首を刎ねて頂戴」
「畏まりました」
「だからだ。乳は乳でもだ」
不穏な空気の中でだ。華陀は毅然として言う。
「人の乳じゃない」
「じゃあ何の乳なのよ」
「牛や馬の乳だ」
そちらだというのである。
「他には山羊のものもいい」
「そうしたお乳を飲むの」
「そうすれば出る」
言葉は率直だった。
「出るものはすぐに出る」
「そうなの。お乳を飲めばなの」
「後は野菜だな」
それもいいというのだ。
「薩摩芋もいいぞ」
「ああ、あれね」
「それはしっかり食べているか?」
「そういえば最近」
曹操も言われてだ。そのことに気付いた。
「食べてなかったわ」
「他にはカボチャや牛蒡もだ」
「どれも食べていないわ」
「ならどれも食べるべきだ」
そうすればいいというのだ。
「便秘は食べるものでかなり違うからな」
「そうだったの」
「そうだ。それに果物はだ」
こちらのことも話すのだった。
「プルーン、それに林檎だな」
「あっちの世界のアメリカ組がよく食べてるわね」
「そうだな。特にプルーンがいい」
「わかったわ。牛や馬のお乳にカボチャや牛蒡に」
「薩摩芋もだ」
「それとプルーンね」
「わかったら早速食べてみればいい」
華陀は微笑んで話す。
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