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夢幻水滸伝

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第二百三十五話 邯鄲からその五

「決めたんや」
「それで敵を追い詰めるか」
「戦略的にもそうで」
「心理的にもか」
「そうした、一方から攻めると相手に楽に対応される」
 そうなることを読んでというのだ。
「呉もかなりのもんやし軍師の巴もやるからな」
「あの二人は凄いですよ」
 二人と起きた世界で同学年でありこの世界では同じ格の星の者である残が述べた、それ故に二人のことをよく知っているからだ。
「起きた世界でもで」
「こっちの世界でもやな」
「見ていますと」 
 二人が郁と共に三つの省を統一し統治しているのを見ればというのだ。
「相当です」
「そやな」
「まるで流れる様に」
 そこまでスムーズにというのだ。
「三つの省を統一しています」
「それを見ればやな」
「はい」
 まさにというのだ。
「おらっち達もです」
「そう簡単にはな」
「勝てへんです」
「そう思って兵と星のモンの数と」
 それにというのだ。
「それでや」
「もう一つですね」
 陳が応えた。
「使いましたね」
「攻め手は攻める場所を自由に選べる」
 戦の特徴の一つだ、これに対して守り手は攻め手の攻める場所をどう自分達が望む場所に選ばせるかということが重要になる。
「それを使ってや」
「三方からですね」
「攻めた、これやとな」
「如何に呉さん達でもですね」
「追い詰められる、倍以上の兵と星のモンに多方面から攻められる」
「それやとですね」
「もうな」
 それこそというのだ。
「誰でも対処が難しい」
「敵を園状況に置いたのですね」
「あえてな、ほなな」
「この度はですね」
「そのうえで戦うで」
「わかりました」
 陳も頷きそうしてだった。
 五人で邯鄲から河南省との境に赴いた、そのうえで。
 その境で三省軍と遭遇した、その数は。
「敵の数五十万」
「それだけいます」
「騎兵と砲兵も多いです」
「中央に歩兵と砲兵を置いています」
「左右には騎兵です」
「そやな、もう決戦を挑む気やな」
 羅は士官達の報告を受けつつ敵軍を見て述べた。
「最早な」
「そのつもりですね」
「銃兵や術兵も多いです」
「それを見ますと」
「やはり」
「そや、もうここで負けたらな」
 三省軍はとだ、羅は述べた。
「敵はどうにもならん様になる」
「そやから決戦を挑んできた」
 魯も言ってきた。 
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