おぢばにおかえり
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第六十九話 先輩達と会ってもその五
「いいわね」
「はい、さっきもお話しましたし」
「だったら尚更よ」
「気をつけないといけないですね」
「というか先輩はね」
「あの、ちっち」
佐野先輩が私に眉を曇らせて言ってきました。
「私とね」
「高井先輩がですか」
「したことは事実だから」
それでというのです。
「ちっちが言わなくてもいいの」
「そうですか」
「ええ、私達が悪いし反省してるし」
「もう二度としないから」
高井先輩も言ってきました。
「あんなことは」
「確かにやったことは取り返しがつかないけれど」
「ここで言わないことよ」
私はすぐに新一君にくぎを刺しました。
「新一君すぐにこうした時言うでしょ」
「だからですか」
「そう、いいわね」
「先輩がそう言われるなら」
「そうよ、あのこの子のことは気にしないで下さい」
先輩達に顔を向けて言いました。
「悪い子じゃないんですが一方的なところがあって」
「ちっちの後輩の子?天高生だけれど」
高井先輩が私に曇ったお顔で聞いてきました。
「そうなのね」
「はい、同じ奥華で」
「そうした子なのね」
「私から言っておきますので」
「いいわ、私達がそうしたことしたのは事実だし」
高井先輩は私に俯いて答えました。
「言われても仕方ないことだから」
「そうなんですか」
「ええ、この子がどうして知っていたのか気になるけれど」
「悪いことはずっと残りますから」
新一君の言葉です。
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