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夢幻水滸伝

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第二百三十二話 傭兵隊長からその十七

「やっぱり守らんとな」
「そうですよね」
「何があろうとも」
「好きなもんを守れてこそな」
 まさにというのだ。
「人や、それで力があるなら」
「その力を使う」
「守る為に」
「その為の力や」
「ですね」
「それではですね」
「しかとやってくで、自分が威張って好き勝手に使うもんやない」
 力はというのだ。
「そやろ」
「はい、確かに」
「そのことは」
 二人もその通りだと答えた。
「そんなことに使うなら小者です」
「ほんまその程度の奴です」
「僕等はその程度のモンでない筈や」
 力を自分が威張り好き勝手をする為に使う様なというのだ、日本ではヤクザ屋さんや学校の教師に多い人種であろうか。
「そやろ」
「はい、それは」
「絶対に違います」
 二人も強い声で答えた。
「自分の為に使ってもです」
「ほんま小さいです」
「力を使うなら」
「大きなことの為にそうあるべきです」
「そやからな」
 それ故にというのだ。
「ええな」
「はい、これからは三人でやっていきましょう」
「この世界を救いましょう」
「そうしてくで、一人より二人でな」
 曹は莫と金にさらに言った。
「二人より三人や」
「そういうことですね」
「三人の力は大きいです」
「そうしてくで」
 ビールで乾杯した、ここで。
 そしてそのビールを飲んでだ、曹は笑顔で言った。
「美味いな」
「そうですね、普段飲むビールよりも」
「美味しいですね」
 二人も笑顔で応えた。
「傷なの味がします」
「それも入って美味しいです」
「ほんまにな、このビールの味に誓ってやってくで」
 曹はエガのままだった、そのうえで。
 三人で中国の西域を治めていった、そして戦を経て羅達のところに入ったのだ。それがこの世界での彼等だった。


第二百三十二話   完


                  2021・11・1 
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