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夢幻水滸伝

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第二百三十二話 傭兵隊長からその十五

「たまにしか出て来んけどな」
「それでもですさかいね」
「出て来たらやっかいや」
 これ以上はないまでにというのだ。
「そやからな」
「誰もが巨人は嫌いですね」
「巨人はどの世界でも悪や」
 それそのものだとだ、曹は言い切った。
「野球でも実物でもな」
「どっちにしろですね」
「ほんまの悪や、絶対悪は何かと言うたらな」
「巨人こそがですね」
「それや」
 曹は再び言い切った。
「それはな」
「左様ですね」
「まあ巨人が最下位なのはええ」
 このことはというのだ。
「ほんまにな」
「最高にですね」
「そう思うわ」
「それで本拠地は甲子園やそうです」
 金はこの世界の阪神の話を再びした。
「こっちの世界でも」
「そやねんな」
「それで投手陣も野手陣も万全の戦力で」
「滅茶苦茶強いか」
「そうらしいです」
「それは何よりや、ただな」
 曹は麺を食べつつさらに話した。
「今は観られんな」
「こっちの世界では」
「遠い日本の話やさかいな」
 残念そうに語った。
「あんなええチームないが」
「寮でも阪神人気ですしね」
「国の垣根を越えてな」
「どの国の人からも人気で」
「海外組の寮でもほんま人気や」
「そうですね」
「それでこの世界にも阪神あるんやな」
 曹は嬉しそうに述べた。
「それは何よりや」
「あちらでも鉄道が敷かれてて」
「阪神即ち鉄道ですね」
 莫もこう言った。
「ほんまに」
「それであちらに線路が敷かれてな」
「すぐにチームが出来ましたか」
「他のチームもそれぞれの産業が出来てな」
「そうなりましたか」
「何か九州の鷹とか東北の鷲は地元の有力者が力を集めて作ったそうやが」
「そうですか」
「阪神は鉄道敷かれたら」
 それでというのだ。
「即座にな」
「出来ましたか」
「巨人は江戸の性質の悪い瓦版屋が親会社やそうやが」
「それで、ですか」
「その親会社が悪徳企業でな」
「評判が悪く」
「ええ選手が来んで人気もなくて」
 そうした状況でというのだ。
「もうダントツで弱いらしい」
「そうですか」
「当然江戸の星の人達も意に介さずや」
「巨人については」
「悪徳そのもののチームやからな」
「この世界でもそれは同じですね」
「どの世界でも巨人ってチームは悪やな」
 金はこうまで言い切った。
「何につけても」
「それで弱いからええですね」
「世に悪は栄えた試しなし」
「悪い奴は負けるべきですね」
「ほんまにな」
「その弱い巨人をこっちの世界でも観たいな」
 曹は心から思った、そしてその思いを言葉にも出した。 
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