八条学園騒動記
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第六百五十二話 打ち上げの時にその十
「物凄いものになる」
「星全体を使った中で」
「そうなるぞ」
「そうなんだね」
「しかしあの皇室は伝統としてな」
タムタムはチーズを少し齧った、そうしてそのチーズを食べ終えてからウイスキーを一杯飲んでまた入れてから話した。
「質素でな」
「あの小さな御所で」
「お食事もな」
「質素なんだ」
「流石に食材は皇室専用の田畑のものでだ」
「それはだね」
「そうしたもので牧場もそうだが」
田畑と同じくというのだ。
「それでもな」
「お食事も質素で」
「献上品も皇室の財産になるが」
そちらに収められるがというのだ。
「全部ガラス張りでだ」
「皇室の人達が使いたくてもだね」
「敢えて使われない」
「使いたくてもじゃないんだ」
「そして宮内省の予算もな」
即ち皇室の予算もというのだ。
「僅かだ」
「だから質素なんだ」
「明治天皇以来らしい」
近代皇室の祖であられる方だ、この時代においてもそのことは強く意識され昭和天皇と並んで神格化されている。
「そこからの伝統だ」
「あの人からなんだ」
「この人が質素だった」
「そんなになんだ」
「暖房は火鉢一つだった」
冬どれだけ寒くともだ。
「常に軍服を着ておられ裏が破れても縫ってな」
「使われていたんだ」
「そして日本酒はお好きだったが」
清酒をはじめて飲まれて感激されてからのことだ。
「質素であられ宮殿もな」
「質素で」
「兎角全てが質素だったのでな」
「今の皇室も質素なんだ」
「サハラの独裁者では国民そっちのけで贅沢に走る奴もいた」
中には文字通りの暴君の暮らしを満喫する輩もいた。
「しかしな」
「日本の皇室はずっとだね」
「質素でな」
「献上品は多くても」
「それでもだ」
「ああしたお暮らしなんだね」
「そういうことだ」
こうロミオに話した。
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