八条学園騒動記
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第六百五十話 終わってからその七
「もうね」
「項羽って凄いね」
ジョルジュもそう聞いて唸った。
「強いなんてものじゃないよ」
「呂布より強いわよね」
「うん、呂布も強いけれど」
三国志のこの人物もというのだ。
「項羽はね」
「その呂布よりも強いわね」
「最後の一戦まで負けなかったから」
旗揚げからその時までだ。
「垓下でのね」
「そうだったわね」
「呂布は武芸だったけれどね」
「項羽は戦場の指揮もあって?」
「五十六万の敵を三万で散々に破ってるし」
「そうしたこともあって」
「呂布よりずっと強いよ」
項羽、彼はというのだ。
「それでヒロインのお父さんはなんだ」
「作品の中でも実際に言われてるのよ」
「項羽みたいだって」
「あんまりにも強くて」
その為にというのだ。
「ヒロインのお母さんは主人公と会って認めてくれたけれど」
「お父さんは違って」
「今その展開なのよ」
「成程ね」
「本当に強いのよ」
カトリは手を動かしながらまたこう言った。
「このお父さんがね」
「項羽に例えられる位に」
「幾ら攻撃しても仁王立ちで」
そうして立っていてというのだ。
「攻撃力もね」
「凄いんだ」
「二階攻撃で全体攻撃」
「無敵だね」
「そんなのだから」
「ラスボスなんだ」
「今ネットでもそこまで言われてるの」
その作品の話題の中でというのだ。
「野球ならサチェル=ペイジってね」
「ああ、あの二千勝したっていう」
ジョンはその名前を聞いてすぐにこう言った。
「二千五百試合投げて」
「本当かどうかわからないんだよね」
ジョルジュは首を傾げさせて述べた。
「それは」
「黒人リーグにいたけれど」
「黒人リーグ?」
「昔のアメリカにあったんだ」
「そうだったんだ」
「二十世紀前半にね」
ジョンはジョルジュに話した。
「あったんだ」
「もうないよね」
「ないない、黒人差別があって」
当時のアメリカにというのだ、他にはアジア系やユダヤ系、ヒスパニック、イタリア系、アイルランド系もそうしたものを受けてきた。
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