夢幻水滸伝
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第二百三十話 西方にてその五
「やっぱりな」
「出来るだけですね」
「それは避けたい、戦は手間も金もかかるし何よりも」
「犠牲を生みますね」
「この世界は死んでも生き返ることが出来るが」
寿命でない限りだ、だから戦場で死んだ者はほぼ確実に蘇ることが出来る。これもまたこの世界の特徴なのだ。
「しかしな」
「それでもですね」
「出来る限りや」
「傷付かずに済む」
「無闇に人が傷付くのは好きやない」
曹は強い声で述べた。
「そやからな」
「それで、ですか」
「戦は出来るだけ避けるで」
「そうしますか」
「そうするで、ええな」
「それでは」
「来る者は拒まず、そして賊やモンスターはな」
彼等のことも話した。
「積極的にな」
「倒していきますか」
「そうしてくで」
「それでは」
市長も頷いた、そうしてだった。
曹は降る街や村を受け入れていった、すると陝西省は忽ちのうちにだった。
その中央部は曹の勢力圏となった、曹はこれを受けて今度は漢水の方に勢力を拡大することにしたがそちらもだった。
多くの街や村が自ら降った、そしてだった。
是非にと考えていた漢中も手中に収まった、だが彼は戦いを避けられなかった。
多くのモンスターや賊と戦っていた、秦嶺山脈にはモンスターが多く。
曹はよく自ら出陣してモンスター達と戦った、狼牙棍をそれぞれ両手に一本ずつ持ち五色神牛に乗って戦場に出るが。
全ての術が使えその二つの神具を自在に操る彼は強かった、それで殆どのモンスターは一撃でまとめて倒していたが。
今の戦闘が終わってだ、彼は苦い顔で言った。
「ほんまきりがないな」
「モンスターがよく出ますね」
「ああ、次から次にとな」
自分が乗る五色神牛に話した。
「出て来るな」
「それがです」
「モンスターってもんやな」
「まだ中国はモンスターが少ないですよ」
五色神牛は自分が背に乗せている主に話した。
「山でも」
「ああ、そうらしいな」
「アマゾンやサハラ砂漠になりますと」
「こんなもんやないな」
「この二つの地域が密集地帯で」
モンスターそして獣達のというのだ。
「強さもです」
「かなりやな」
「そうです、この省も」
「少ない方か」
「地下世界も多くて」
そちらもというのだ。
「そしてです」
「何か欧州もな」
「あちらも多いです、地下世界は多め位ですが」
それがというのだ。
「欧州は倍以上はです」
「出るか」
「そのことからも欧州は治めにくいです」
そうした地域だというのだ。
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