夢幻水滸伝
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第二百三十話 西方にてその三
「これからや、領地を治めてくで」
「では内政に力を注ぐ」
「そうしますか」
「そうして力をつけ」
「民の暮らしもよくしますか」
「そうするで、街におるヤクザモンや領地を荒らす賊を成敗して」
そうしてというのだ。
「確かな警察組織も編成して」
「治安をよくする」
「そうしますか」
「まずは」
「そうする、そしてな」
そのうえでというのだ。
「農業や工業に力を入れる、特にな」
「特に?」
「特にといいますと」
「水や」
こちらのことだというのだ。
「領地の治水はな」
「しますか」
「黄河もありますし」
「そうしますか」
「予算はあるだけ使う」
そうするというのだ。
「他のことや軍隊にも使うが」
「まず優先するのはそちらですか」
「黄河の治水ですか」
「そちらですか」
「そうする、下手したらな」
黄河の治水でというのだ。
「いざという時民が大変なことになるな」
「その通りです」
「黄河は兎角水流が激しいです」
「すぐに決壊もします」
「常に多くの恵みをもたらしてくれますが」
「同時に恐ろしい河でもあります」
「そやからな」
それ故にというのだ。
「ここはな」
「まずはですね」
「黄河の治水に力を注ぐ」
「そうしますね」
「そうしてくで」
こう言って実際にだった。
曹は黄河流域の治水を徹底させた、自身の領域だけであったが多くの人材と予算を投入してはじめた。
優れた技術者も招いて進めていった、そして自ら現場に出て視察や監督をするが。
「労働者に給与は弾んでな」
「いいものをたらふく食べさせ」
「交代で休みも取らせ」
「休日も用意していますね」
「大事業なだけにや」
それだけにというのだ。
「ここはな」
「はい、しっかりとですね」
「人も大事にして」
「そのうえで進めていきますね」
「そうしてな」
そのうえでというのだ。
「ことを進めていくで」
「わかりました」
「ではそうしていきましょう」
「そうしてですね」
「治水をしっかりとしますね」
「そうしてくで、あと普通の労働者には安全な仕事をさせて」
そうしてというのだ。
「そしてな」
「そして?」
「そしてといいますと」
「重罪人にはどんどん危険な仕事をさせる」
彼等に対してはそうするというのだ。
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