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夢幻水滸伝

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第二百二十八話 寧夏の戦いその十五

「やっぱりな」
「基本はじゃな」
「熱いものや」
「そやな」
「それで言う、川や湖のものはな」
 そちらの魚介類はというのだ。
「火を通すことや」
「そうして食べることやな」
「そや、自分この前鯉美味そうに食べてたが」
「丸揚げ最高じゃった」
「淡水やとな」
「火を通すことじゃ」
「一旦徹底的に凍らせてたら別やがな」
 それでもというのだ。
「ええな、火はな」
「通してくわ」
「昔は結構生で食べてましたけどね」
 屈は碧に中国のかつての食文化の話をした。
「三国時代でも唐代でも」
「水滸伝でも刺身食べてたのう」
「はい、ですが刺身が原因で疫病が流行して」
「それでか」
「火を通す様になりました」
「そうじゃったか」
「この世界でもどうも衛生に気をつけて」
 要するにあたらない様に心掛けてというのだ。
「そうしている様です」
「成程な」
「三国時代の呉等はよくです」
「刺身食べちょったか」
「孫権は無類の酒好きでしたが」
 その為彼には酒にまつわる話も結構ある。
「その肴はです」
「長江の幸でじゃな」
「はい、そこにはお刺身も」
 これもというのだ。
「あったでしょう」
「やはりそうじゃのう」
「ですが今は」
「この世界でもじゃな」
「はい」
 まさにというのだ。
「生は殆どです」
「そうじゃのう」
「ですから国木田先輩もです」
「生では食べるな、じゃな」
「虫は本当に怖いですから」
 それ故にというのだ。
「宜しくお願いします」
「そうするけえ」
 碧も素直に頷いた。
「食事は安全第一じゃからのう」
「そうですよね」
「ほな私等も気をつけていきます」
「川魚も美味しいけれど」
「そうしていきます」
 紗枝達四人も言った。
「鯉めっちゃ美味しいですけど」
「そうしていきます」
「生では相当冷凍させん限り食べへん」
「そうします」
「自分等そういうとこはしっかりしてるからな」
 羅は四人を見てこう言った。
「軍を率いても乱暴狼藉は許さんしな」
「しかも政も民のこと第一です」
 残も話した。
「そうですさかい」
「ええな」
「いい加減で怠け者でも」
「それでもな」
「大事なもんは全部持ってますさかい」
「許せる」
「そうですね、ほな蘭州攻めの時も」
 その時もというのだ。
「頼りにしていきましょう」
「そうしよな」
 こう話してそうしてだった。
 北の軍勢は黄河を使いその幸も楽しみつつ蘭州に向かっていった。黄河流域にあるその街に着くのは間もなくだった。


第二百二十八話   完


                    2021・10・1 
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