SAO<風を操る剣士>
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第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第三章 成長
第22話 兄妹
前書き
無駄な訳の分からない話ですいません。
こうやって話している所の描写が好きなもんで…
次回も多分こんな感じです。
……少し短めです。
※現在1話から順々に話の書き方を修正中です。
修正といっても話の内容を変えるわけではないのでそのまま読み進めても大丈夫です。
前書きに『■』←このマークがあれば修正完了で、『□』←このマークがある場合修正中、なければ修正前ということでよろしくお願いします。
アルゴにメッセージを送り、『明日、直接会おウ』と返ってきてから一日が経った。
なので、俺とシリカはアルゴとの待ち合わせである第十四層の店に向かっている途中だった…が、
「ねぇ、僕らとパーティー組もうよ。シリカちゃん」
「い、いえ。結構ですので…」
「そう言わずに、少しだけでもさ~」
「で、ですから…」
今日のアルゴの待ち合わせ場所は持ち込み式の所の為、お気に入りのドリンクを持っていこうと思ったら、昨日のご飯の時にお気に入りのドリンクを飲んで無くなっていた事に気付いた。
その無くなったドリンクを持っていく為に、シリカを近くのベンチで待たせて一人で買いに行った。
昨日の事もあって、少し気まずかったしな。
けど、それが間違いだったらしい。
なんと俺がドリンクを買いに行ってる5分位でシリカは……ナンパされていた…
まぁ、ただパーティーに誘うだけでナンパというか分からないが、あれは度が過ぎると思う。シリカがしつこ過ぎてどうしようか困ってる。
それ以前にシリカの事を誘ってる相手は、以前、俺にコテンパンに負けた奴だ。
負けた後に『手を引きます』って言っていたが、まだ諦めてなかったのか……しつこいな、本当に。
「おい、なに人の妹を勝手にパーティーに誘ってるんだ。以前、俺に自分で言った事忘れたのか?」
「お兄ちゃん!」
俺はシリカのファンに向かって、兄が妹を守るように言いながらシリカの元へ向かって歩く。
するとシリカは俺に気付いて、ほっとした顔で俺の事を呼んできた。
…本当に迷惑してたんだな。
「シリカちゃんのお兄さん……いえ、忘れてませんよ。ただ、シリカちゃんが一人で危なそうだから、僕とパーティーを……」
「それが本当ならお礼を言わなきゃな」
ファンの男は、俺の事を見ながら言い訳を始めたが、俺はその言い訳を最後まで聞く気は無かったので、言い訳をめんどくさいから一度正当化させる為、お礼をファンの言葉の途中に言った。
「そうです! だから僕と……」
「でもココのベンチは圏内で、モンスターが出ることもダメージを受けることも無い。それにシリカは、お前よりもレベルが高い……俺も来たことだし、心配する事は無いから帰って良いよ」
ファンの男が俺がお礼を言った為、頭でどんな変換がされたのか知らないが、また『パーティーを組んで下さい』なんて言い出しそうだったので、俺は速めにもう帰って良いように言う。
…ホントに心配してシリカを誘ってたりしてたら悪いしな……あり得ないと思うが…
そうだった時の為に先にお礼も言ったし、間違えても態度の悪い<ビーター>で済むだろう。
「そうですよ。さっきも言ったように、お兄ちゃんも来たのでパーティーはお断りします。さぁ行こ、お兄ちゃん」
「ああ」
シリカはファンに断ると言った後、俺の手を引きファンを背に歩き始めた。
シリカは、このSAOの中では最年少の方だからか育ちが良いのかは分からないけど、普段は誰にでも丁寧に接する。
けど、手を引いてまで速く立ち去ろうなんて、よっぽど速く立ち去りたいんだな。
そう思って俺は、そのままシリカとアルゴとの待ち合わせ場所に、少し悪いと思いながらも後ろを振り返らずに向かい始めた。
====================
「着いたけど、ちょっと早過ぎたな」
「そうですね。待ち合わせの時間まで、あと40分はありますよ」
現在午後1時18分、待ち合わせは2時なのでシリカが言う通り、あと40分位はある。
今、この待ち合わせに使う店の中には、あらかじめアルゴが予約を入れていたので、俺達以外に誰もいない。
先に着いた俺とシリカは、前もって教えてもらっていたパスワードをNPCに言って、先に入ってまっている訳だ。
この際二人きりだし、さっきのファンの事を聞くいい機会かもな。
「なぁ、シリカ。さっきの奴、俺と離れてからどれ位でよって来たんだ?」
「えっと、シュウさんが離れて1分か2分ですね」
「……ということは、3分から4分くらいはめげずにシリカを誘ってたのか…」
「そうですね、本当に困っちゃいましたよ。何回断っても諦めないので」
それは相当…だな。
「だからシュウさんが帰って来た時は、ほっとしましたよ」
「そうか? なら良かったよ。……それよりシリカさ~」
シリカが安心したなら、この件についてはもういい。
だけど俺は、他に自分でも最近慣れつつ…というか、もう慣れてしまった事について聞く事にした。
「ぶっちゃけて聞くけど……俺の妹って言うことに慣れてきてない?」
「………え~と……はい…」
俺の言葉に、言い難そうにシリカは返事をしてくれた。
そう、これは俺も感じている事なのだ。
シリカは俺の妹。この事が最近、俺の頭に定着してしまった。
その為、俺達の事を兄妹じゃないと知らないプレイヤーがいる所では、無意識の内に『兄』を演じてしまうようになってきている。
「…言いくいですけど…その…シュ、シュウさんはあたしの憧れの人でもあります。…でも、シュウさんはあたしのお兄ちゃんで……って、本当は違いますけど、なんかその事があたしの中で定着してきていて……うう、な、何言ってるんですかね。あたし……」
シリカは顔を赤くしながら恥かしそうに俺に言ってくる。
…シリカも俺と同じか聞きたいから、この話をふったんだが…同じだな。この感じだと。
「大丈夫だよ、シリカ。俺も同じだから」
「え!? そうなんですか?」
「ああ。それに俺なんてアスナとか、俺達の事を知らない人がいると、無意識にシリカの『兄』を演じている事に最近気が付いたよ」
「あ~分かります、それ。あたしも最近そんな感じですよ」
俺の言葉に納得するシリカ。
そういえば最近シリカも、部屋以外ではほとんど俺の事を『お兄ちゃん』と呼んでいるような…
「そういえば最近シリカ、外だと俺にタメ口だよな」
「い、いや、あれは…その…い、妹なのに敬語ではヘンかな~、と思いまして……イヤでした?」
シリカが俺に『ダメでした?』と、顔に書いてあるような心配そうな顔で聞いてくる。
「いや、別に良いよ。それに今から止めろって言っても、直せる?」
「……ちょっと、無理かもです…」
「なんなら普段からタメ口でも良いよ」
「いや、それもちょっと……こういう普段の時と、妹でいる時の…切り替え? とでも言えばいいんですかね。そのせいでシュウさんには敬語が抜ける気がしなくて…」
「そ、そっか。なら、しょうがないな」
…俺より症状が重いぞ、それ。
「でも、敬語で喋ってたって、俺の中ではもうシリカは『俺の妹』だよ」
「…そう…ですよね」
フォローのつもりで言ったのに、何故かシリカはガッカリしたような顔になってしまった。
「……でもさ…」
俺はシリカの顔が変わってしまった後に、言葉を続ける。
誤解されないように、これだけは大事な事だからしっかりとシリカに伝えておかないと。
「シリカは『妹』だけど、俺の中では『兄妹』ではないぞ」
「…どういう意味ですか」
シリカは意味がよく分からないらしい。そりゃそうだ。
「いや、あまり深く考えないで、そのまま意味だよ。シリカは『俺の妹』と感じているけど、『兄妹』には感じられないんだよ。まぁ『妹のような存在』……は、ちょっと違うな。…その、なんて言うか……ごめん、上手く言葉に出来ない…」
「…………」
俺の言葉にシリカは何か考え始めた。…いったいどうしたんだ?
「いヤ~、遅くなってゴメンネ~」
「お! 来たか」
どうやらアルゴが来たようだ。
俺とシリカは話を止めて、アルゴに昨日の件について話し始めた。
このアルゴから聞かされたクエストは、俺が今まで受けた中でキツイものだった。
後書き
この第三章も、あと3話か4話です。
三章は全部オリジナルで、しかもほとんど物語が進まない…
本当にすいません。この第三章が終わると速く進みま…『す』とは言い切れないです。
……やっぱり、このペースのままかな?
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