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夢幻水滸伝

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第二百二十八話 寧夏の戦いその七

 砲撃、銃撃、術の攻撃それに弓矢を一斉に浴びせた。所々で轟音が起こり騎兵が馬ごと吹き飛ばれる。
 術を受けた兵が落馬し動けなくなる、銃撃や弓矢を受けてもだった。
 彼等は次々と倒れていった、羅はその状況を見てまた言った。
「よし、これはな」
「ええ感じですね」
「実にな」
 こう残に言うのだった。
「これ以上はないまでに」
「もう敵は完全に前に進めん様になりました」
「爆発と照明弾で驚いてからな」
「姿も丸見えになって」
「それで、ですね」
「そうなったら騎兵は脆い」
 羅は強い声で述べた。
「前に進めんとな」
「騎兵の意味がないですね」
「ほんまに馬は進んでこそや」
 戦において価値があるというのだ。
「それを封じられるとな」
「もう、ですね」
「こんな脆いもんはない」
「まさに的ですね」
「機動力そして衝撃力」 
 ここでも騎兵のその二つの強みの話をした。
「それが活かせんとな」
「もう、ですね」
「騎兵はほんまにな」
「意味がないですね」
「それをやった、万が一に備えてバリケードと壁も用意してたが」
「それが余計にですね」
「敵の動きを防いでるな」
 見れば敵軍は前に進もうにもバリケードや壁を前にして進めていない、これも羅の読み通りであった。
「これもええ、ほなこのままな」
「敵軍をですね」
「倒してく、これで朝になれば」
 即ち明るくなればというのだ。
「ええな」
「次の動きに移りますね」
「陣を出てな」
 そのうえでというのだ。
「突撃に移るで」
「わかりました」 
 残は右手に錫杖を持ったうえで応えた、無意識のうちに錫杖の金を鳴らした。戦は朝までは守ったまま続き。
 明け方になり空が明るくなると羅は自ら麒麟に乗って言った。
「ほな陣を出るで」
「はい、そして」
「そのうえで、ですね」
「攻めるで」
 兵達にも話した。
「これより」
「わかりました」
「ほないきましょ」
「今より」
「そうしましょう」
「そうするで」
「待ってたけえ」
 碧が楽しそうに言ってきた。
「この時を」
「自分が大好きな戦闘の時や」
「今の砲撃や銃撃もよかったけえが」
「自分はやっぱりな」
「突撃じゃけえ」
 これが一番だというのだ。
「そうじゃからのう」
「今からやな」
「攻めるけえ」
「よし、ほなな」
「はよ陣を開けるんじゃ」
 碧は兵達に命じた。
「わらわがおのこの次に好きな戦楽しむけえ」
「ほなうち等もいきます」
「国木田先輩と一緒に」
「報酬分は働きますさかい」
「やらせてもらいます」
 例の四人も続いた。 
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