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夢幻水滸伝

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第二百二十七話 内モンゴルを手に入れその十二

「対してくんや」
「そういうことですね」
「そのうえでな」
「これからですね」
「蘭州に向かうで」
「わかりました」
「万全の補給でかつ相手の動きを考えて対策を立てる」
 羅は今度は冷静な顔と声で述べた。
「それこそがな」
「戦にですね」
「確かに勝てる方法や、己も知ってな」
 そこまでしてというのだ。
「それでや」
「百戦百勝ですね」
「それをするにはな」
「そうしたことをすることですね」
「間違っても慢心したらな」
 自分達の優勢にというのだ。
「そうなったらな」
「負けますね」
「どんな状況でもな」
「十倍の戦力でも」
「負ける、実際にな」
「負けていますね」
「色々な勢力がですね」
「そや、王莽も負けた」
 漢を簒奪して新という王朝を建てた人物だ、中国の歴史においては非常に評判の悪い人物の一人である。
「そうなったやろ」
「圧倒的な軍勢を光武帝に向けて」
「勝てると思ったがな」
「まともな将帥もおらず」
「その数に油断したがな」
 それでもというのだ。
「しかしな」
「それで敗れましたね」
「光武帝も凄かったが」 
 後漢を建てた彼もというのだ。
「しかしな」
「それでもですね」
「王莽の油断がな」
 そして彼が用いた愚かな者達がというのだ。
「結果としてな」
「敗北を招きましたね」
「そうなった」
「彼の出鱈目な政もありましたが」
「それでもですね」
「彼の油断もな」
 これもというのだ。
「影響があったことは事実だ」
「大軍に安心しきった」
「そしてだ」
「新は滅びましたね」
「元々政が出鱈目だった」
 王莽のいらぬ乱を起こした政治は歴史に書かれている、兎角安定していた漢の政を現実を観ない改革で乱して国をそうしたのだ。
「そしてだ」
「国を乱して」
「そしてだ」
 そのうえでだったのだ。
「赤眉の乱も起こりな」
「王莽の新は滅びましたが」
「それでも大軍は持っていた」
「それで光武帝にも兵を向けましたが」
「敗れた」
「そうなりましたね」
「如何な大軍でもな」
 相手を圧倒していてもだ。
「油断しているとな」
「敗れますね」
「そして兵が弱く将帥が愚かなら」
 それならばというのだった。
「敗れる」
「そうじゃ、大軍でも油断して弱い兵と愚かな大将ならじゃ」 
 碧も言って来た。 
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