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八条学園騒動記

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第六百四十七話 無欲な野心家その六

「軍事的才能がないので」
「あの人がサハラにいたら」
「国家元首にはなれても」
「それはなれるの」
「容易に」
「それだけで凄いけれど」
「ですがなるだけではです」
 それだけではというのだ。
「駄目ですね」
「問題はなってからってね」
 アンジェレッタが応えた、皆カレーをおかわりしていて彼女もだ。
「言うわね」
「はい、国家元首になり」
「何をするかよね」
「なることが目的なら」
 それならというのだ。
「それまでの人です」
「一番問題なのはなって何をするか」
「それが問題で」
 それでというのだ。
「ジャバル副主席はサハラですと」
「軍事的才能がないから」
「ですから」
 その為にというのだ。
「失敗します」
「そうなるのね」
「革命家ですが平時の人です」
「戦争があると駄目なのね」
「全く」
「そうした人なの」
「そこが問題です」
 ジャバルのというのだ。
「どうしても」
「じゃああれね」 
 アンジェレッタはセーラの話を聞いて言った。
「あの人は戦争をしない」
「それが一番ですね」
「そういうことね」
「軍を弱体化させてもです」
「戦争しないとなの」
「問題はないですね」
「そうよね、連合軍も弱いけれどね」
 このことは連合市民が認めていることだ、軍事訓練の時間の少なさからこの評価はこの軍隊について回っていることなのだ。
「けれどね」
「それでもですね」
「エウロパ戦役では物量と装備で押し切って」
 そうしてというのだ。
「前に義勇軍がいて」
「サハラの人達ですね」
「それで戦って勝ったけれど」
「弱いというのですね」
「ええ、けれど戦争しなかったら」
 弱兵であってもというのだ。
「問題ないわね」
「そうですね、攻めたり攻め込まれないと」
「そうよね」
「その通りです、ですが」
「それでもなの」
「若し戦争になれば」
 その時はとだ、セーラは話した。
「敗れます」
「やっぱりそうなるわね」
「はい」
 まさにというのだ。
「必ず」
「軍事的才能がないとそうなるのね」
「誰でも得手不得手があり」
 セーラは人間のことを話した。
「欠点もです」
「あってなの」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。 
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