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夢幻水滸伝

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第二百二十七話 内モンゴルを手に入れその四

「専門は素手でもじゃ」
「相手の武器を奪って使うか」
「そうじゃ」
「それはあれですね」
 ここで屈が言ってきた。
「尉遅敬徳ですね」
「唐代初期の猛将じゃのう」
「その武勇を知られた」
「その人か」
「はい、尉遅敬徳は相手の武器を奪うことを得意としていました」
 彼の武勇の逸話の一つである。
「事実催しで相手の槍を奪っています」
「そうだったんじゃな」
「しかも相手は槍の名手でした」
 唐の高祖の四子李元吉である、非常に粗暴で残虐な人物であったと言われているが実際はどうかわからない。
「その相手からです」
「武器を奪ったか」
「はい、そして国木田さんも」
「その人みたいか」
「そう思いました」
「そうか、うちの流派は実戦的でじゃ」
 そうした戦い方でというのだ。
「それでじゃ」
「相手の武器の奪い方もですか」
「教えていてな」
 それでというのだ。
「わらわも身に着けたけえ」
「それでそうしたことも出来ますね」
「そうじゃ、それでこっちの世界でもじゃ」
「ご主人のそれは凄いですよ」
 碧の左肩のところにいた因幡の白兎が言ってきた。
「相手の武器を奪う技は」
「そうなんやな」
 また羅が応えた。
「実際に」
「ですから一対一ではです」
「武器持った相手にも相当に強いな」
「気も放てますし」
 それも出来るというのだ。
「そして多人数相手でも」
「武器を奪ってか」
「気も放たれて」
 その様にしてというのだ。
「戦われます」
「そうなんやな」
「絶体絶命の状況になられたことはありません」
「危ういところには近寄らんけえ」
 碧が笑って話した。
「君子危うきに近寄らずじゃ」
「それはええことですね」
 陳もその話を聞いて述べた。
「最初からは」
「そうじゃのう」
「やっぱりです」
「危ない場所にはじゃ」
「最初から近寄らんで」
「そして変なモンともな」 
 人ともというのだ。
「近寄らんことじゃ」
「八条学園は柄の悪い校風やないので」
「比較的平和やがな」
「はい、しかしですね」
「おかしな奴には近寄らんことじゃ、もっとも多人数に囲まれたことはあるが」 
 それはというのだ。
「敵ではなかったけえ」
「そうですか」
「古武術は喧嘩とは比べものにならん」
 専門的な技術はというのだ。
「それでじゃ」
「負けたことはありませんか」
「うちの流派では一人で多人数相手の稽古もする」
「そこで、ですね」
「多人数相手の勝負の仕方も身に着けたんじゃ」
 そうだというのだ。 
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