夢幻水滸伝
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第二百二十六話 これより西へその十二
「勢力を拡大させてくで」
「そうするな」
「そしてモンゴル上空の浮島達には手を出さん」
そちらの浮島達にはというのだ。
「そこはな」
「モンゴルの領地やからやな」
「もうナツァグドルジが掌握してるしな」
「そこで手を出したらやな」
「無闇に衝突の原因を作ることはない」
こう言うのだった。
「そやからな」
「モンゴルの方にはやな」
「通らせてもらえるだけで充分や、将来中国を統一してな」
羅は先のことも話した。
「そしてそこからどう動くかでモンゴルとの関係も変わるが」
「戦も有り得ますね」
屈はあえて戦のことを話に出した。
「そうですね」
「そや、けどな」
「今はですね」
「それでええ」
「好意的中立と言ってええですね」
「その状況でな」
今はとだ、羅は屈にも述べた。
「それでええ、敵は少ないに限る」
「個々にですね」
「全方位に敵を作るなんてもっての他や」
「そやから今はモンゴルとはそうで」
「西を攻めるで」
内モンゴルを進んでいきというのだ。
「内モンゴル全体を掌握したら長城越しでも西の勢力圏全体に圧迫を加えられる」
「何処からでも侵攻が可能になりますね」
陳は羅の言いたいことを察してこう指摘した。
「そうですね」
「そや、攻める場所は蘭州を考えてるが」
「それでもですね」
「国境全体に圧迫を加えられるからな」
「敵の戦力分散も仕掛けられる」
「そやからまずはな」
西とことを構える前にというのだ。
「内モンゴルや」
「あちらですね」
「しかも西も南と対峙していて」
羅は今度は西の状況も話した。
「そして四川省の方ともな」
「張さん達ですね」
「あいつ等とも対している」
「こちらに兵を多くは向けられない」
「そうした状況があるからな」
「それも利用しますね」
「そうしてく、こちらは五十万の兵で内モンゴルを進んで」
そして掌握してというのだ。
「西を攻めるで」
「それでは」
「それが戦略や、ただ出来れば戦車が欲しかったな」
羅は難しい顔で兵器の話もした。
「航空機もな」
「それは仕方ないと思うが」
碧が言ってきた。
「実用化してるのはこの世界ではアメリカだけじゃけえ」
「そやけどな」
「もっと技術革新したいんじゃな」
「そや、折角産業革命を果たしてて」
そうしてとだ、羅は碧に話した。
「こっちも石炭を燃料とした艦艇持っててな」
「兵器全体でじゃな」
「ええ感じになってきててな」
「大体日清戦争か日露戦争位じゃな」
「起きた世界で言うとのう」
「それでか」
「戦車とか航空機もな、研究はしてるが」
それでもというのだ。
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