おぢばにおかえり
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第六十七話 春休みが終わってその三十八
「嫌いだと凄いですから」
「露骨に嫌うね」
「表情すぐに変わって無視したり憎々し気に言いますね」
「よく新聞見てオリックス負けたの見て喜んでるよ」
「あの子ソフトバンクファンでしたね」
そしてかつては近鉄を好きだったとか。
「だからですね」
「それ以上のもの絶対にあるね」
「親の仇みたいに嫌ってますね」
「勝ったらりっぷくしてるしね」
「オリックスの不幸が嬉しくて仕方ないとか言ってましたし」
本当に言うから困ったことです。
「あの嫌いなものを全否定して嫌い抜く態度は問題です」
「あの態度は確かによくないね」
「そうですよね」
「そこは千里ちゃんがしっかり仕込むことだよ」
「同じ大教会の先輩として」
「そのこと以外にもね」
「そのこと以外はわからないですが」
白石さんに言われてもです。
「彼は好きな人やものは物凄く褒めますけれど」
「嫌いだとだね」
「徹底的にけなして嫌って憎んで、ですから」
「千里ちゃんが尊敬している先輩にもだね」
「そうですし」
今も嫌っていると言っています、そのことが許せないです。
「親戚の人でもそうですかか?あの子」
「自分の父方のお祖母さんや叔父さんを嫌ってるよ」
「どうせまた徹底的に憎んで悪口言ってますね」
このことはすぐにわかりました。
「そうですね」
「そうだろうね、ここじゃ言わないけれど」
「というかどうにかしないと」
その癖性分をです。
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