夢幻水滸伝
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第二百二十四話 優しい好感その十五
「二つの省を統一し」
「そしてな」
「治めて」
「羅さんを見極めような」
「そうしましょう」
「是非な、ほなこれからは一人やない」
「二人ですね」
「それでやってこな」
陳に笑顔で話した。
「お互いに」
「そうしていきましょう」
こう応えてだ、陳は。
杯の酒を一気に飲み干した、そうして言うのだった。
「やっぱり杏酒はええですね」
「甘いお酒はやな」
「僕としては」
「おらっちも思うわ、そやからな」
「ライチ酒を飲まれていますね」
「今こうしてな、そして飲むなら」
飲みつつの言葉だ。
「ロックや」
「氷を入れますね」
「幸いこの世界冷凍技術もあるしな」
「それ大きいですね」
「そや、それがあるとな」
冷凍技術がというのだ。
「かなり大きいわ」
「ほんまにそうですね」
「お陰で腐らんで食べられる」
「お肉やお魚が」
「それに缶詰とかもある」
「それも大きいですね」
「保存が出来てると」
それならというのだ。
「その分な」
「餓える人が少なくて済みますね」
「氷系統の錬金術を応用して」
その術をというのだ。
「冷蔵庫や冷凍庫がある」
「それだけでちゃいますね」
「この世界は広いが」
地形は浮島があろうともおおよそ彼等が起きた世界とおおむね同じだ、だが大きさは五倍程こちらの方が大きいのだ。
それでだ、残も言うのだ。
「しかしな」
「それでも冷凍技術がありますと」
「ものが腐らんで食えて」
「それで、ですね」
「餓える人もおらん」
「左様ですね」
「それがええ」
睨餅を食べつつ話した。
「ほんまに」
「左様ですね」
「科学だけやなくて魔術や錬金術がある」
「そうした学問を応用すれば」
「起きた世界より多少文明レベルは落ちてても」
「冷凍技術もありますね」
「そういうことやな」
「左様ですね」
「そしてや」
それでというのだ。
「おらっち達もや」
「こうしてロックを楽しめますね」
「冷凍技術の中には氷を簡単に造るものもある」
「氷系統の術でも出せますが」
「それやと限りがあるしな」
術を使える者だけしか用いられないのだ、これで確かに氷を出せるがそれでも出せる者しか出せないのだ。
それでだ、残は陳に話した。
「冷凍技術があるとな」
「その分ですね」
「頼りになるわ」
「左様ですね」
「そこが有り難い」
実にというのだ。
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