夢幻水滸伝
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第二百二十四話 優しい好感その十四
「統一して治めて」
「それからですね」
「どうしてくかやな」
「そのことですが」
陳は残の杯にライチ酒を入れつつ話した、陳も残の杯に酒を入れているがその酒は杏酒でありそれぞれ違う。
「今河北省の羅さんがです」
「あの人が凄いな」
「魯さんを仲間に迎えられ」
「河北省を統一してな」
「山海関も越えようとしておられます」
「しかも政もええな」
「そうですさかい」
それでというのだ。
「あの人を見極めるべきかと」
「そやな」
残は今度は春巻を食べつつ応えた。
「ここは」
「そうしてです」
「あの人が確かやったらな」
「あの人の勢力に加わるべきかと」
「それがええな、おらっち達が戦っても」
「二人でしかも僕達は戦向けの職業ですが」
「直接戦えるな、おらっちは闘士でな」
焼売を食べる陳に話した。
「自分はマーシナリーや」
「接近戦、遠距離線それぞれでバランスもええです」
「そやな、しかしな」
「その僕達二人でもですね」
「あの人には勝てん」
羅にはというのだ。
「絶対にな」
「神星の六将星のお一人で」
「能力も高いしな」
「持たれている神具も強力極まります」
「青龍偃月刀にな」
関羽が持っていたこの武器にというのだ。
「七咬鋏もある」
「あの七匹の蛟を出す」
「それぞれ虹の色を宿した霊的な、な」
只の蛟ではないのだ、実体のない光の化身である蛟なのだ。
「それで攻撃も出来る」
「絶大な威力があります」
「身体は二郎真君の鎧が守り」
「しかも麒麟に乗られています」
「あまりにも強い」
この四つの神具全てがというのだ。
「二郎真君の鎧はあらゆる攻撃を防ぐしな」
「ですから」
それ故にというのだ。
「戦ってもです」
「勝てる筈がないわ」
「左様ですね」
「そやからな」
「羅さんとはですね」
「おらっちも思う」
「戦っても無駄ですね」
「そや」
まさにというのだ。
「戦っても負けるだけやとな」
「戦わないことですね」
「そや」
残は今度は麺を食べた、陳の方があるがそれは拉麺だった。
その拉麺を食べつつだ、彼は言うのだった。
「最初からな」
「戦わない様にしましょう」
「絶対な」
「そやから」
「あの人とは戦わない」
「そうしよな」
「そうあるべきですね、では僕達は」
陳はあらためて言った。
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