八条学園騒動記
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第六百四十四話 まずいものその五
「何処でもある様な」
「そういう料理か」
「野菜スープとか魚のフライとかな」
「そうしたものか」
「あとはジャガイモ料理だ」
「それか」
「そうしたものばかりでな」
アイルランド料理はというのだ。
「あまりこれといってな」
「ないか」
「また言うが貧しかったからな」
アイルランドはというのだ。
「それでだ」
「食文化も発展しなかったか」
「イングランド以上にな」
「そうだったか」
「そして飢饉もあったしな」
これもというのだ。
「十九世紀の中頃にな」
「飢饉は昔はよくあったな」
「今はないがな」
この時代の連合ではというのだ、農業技術だけでなく他の関係する技術の発展でそうしたことは克服されているのだ。
「かつてはな」
「よくあったな」
「冷害や虫や大雨でだ」
そうした災害でというのだ。
「飢饉になった」
「そうだったな」
「火山が噴火してもな」
そうなってもというのだ。
「火山灰が積もったり火山灰で空が覆われて天気が悪くなってな」
「作物が採れなくなってか」
「飢饉にもなった」
「火山の噴火でもか」
「飢饉はなった、日本がそうだった」
今自分達がいる国がというのだ。
「江戸時代中頃に浅間山が噴火してな」
「飢饉になったか」
「冷害もあってな」
そうしてというのだ。
「天明の大飢饉が起こった」
「そうだったか」
「鹿児島もそうだった」
こちらもというのだ。
「常に火山が噴火していて土壌が火山灰で出来ていてな」
「それでか」
「作物があまり採れなかった」
「そうだったか」
「そしてアイルランドの飢饉はだ」
この話に戻した。
「主食のジャガイモに病気が流行ってだ」
「それでか」
「ジャガイモが採れなくなってな」
そうなってというのだ。
「大飢饉になった」
「そうだったか」
「麦も採っていたが麦はイングランドの地主達に収めていてだ」
「年貢か」
「そうした感じでな、それでだ」
「麦は食えなかったか」
「不作だったのはジャガイモだけだったが」
それでもというのだ。
「アイルランド人はジャガイモが主食だったからな」
「食うものはなくなったか」
「それで麦は取り立てられていたからな」
「食いものがなくてか」
「それでだ」
その為にというのだ。
「国民の八分の一が餓死してな」
「凄いな」
フランツも驚く割合だった。
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