夢幻水滸伝
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第二百二十四話 優しい好感その二
「この斉斉哈爾を治めてくれる」
「出来ますか、僕に」
「出来る、いや」
「いやと思いますと」
「出来ると思わずして何が出来るか」
親父は険しい顔で言った。
「果たして」
「そう言われるとそうですね」
「出来ないと思っていれば」
その時はというと。
「何も出来ないものだ」
「まず出来ると思うことですか」
「そのうえで己の器を知る」
親父はこうも言った。
「人はそうあるべきではありませぬか」
「出来ると思ってことを行い」
「そして己の器を知る」
「それがいいのですか」
「左様、そして」
さらにだ、親父は語った。
「貴方ならばです」
「この斉斉哈爾もですか」
「治められます、今この街は市長がおられませぬ」
「そうなんですか」
「誰かを市長にしないといけませぬ」
「それで市長さんが軸になってですね」
「この街の政を行う」
こう陳に言うのだった。
「そうすべきなので」
「それで僕がですか」
「いえ、貴方は星の方です」
だからだとだ、親父は陳に真顔で答えた。
「ですから」
「そやからですか」
「はい、それで」
彼にさらに話した。
「市長になられるよりその上に立って下さい」
「ああ、この斉斉哈爾だけやなくて」
「そうです、多くの街や村を治めてくれますか」
「そうした方がええですか」
「そう思いますので」
だからだというのだ。
「ここはです」
「市長さんについては」
「なられないで」
それでというのだ。
「ことを進めて下さい」
「そうですか」
「そして市長については」
こちらのことはというと。
「貴方が決められるか選挙をされるなら」
「その監督ですね」
「そうしてくれますか」
「そうですね、選挙しましょう」
陳は少し考えてから親父に答えた。
「そうしましょう」
「選挙ですか」
「起きた世界でもしてますし」
そちらの世界の中国でもというのだ、選挙自体は存在しているのだ。それで彼も親父に答えたのである。
「それやと」
「選挙で、ですか」
「市長さん決めましょう」
「では貴方がです」
親父は陳の言葉を受けて述べた。
「星の方だと名乗りを挙げられ」
「そしてですか」
「そのうえで、です」
「選挙を行うとですね」
「宣言されて下さい、そして選挙のです」
「監督をですね」
「されて下さい」
こう言うのだった。
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