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夢幻水滸伝

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第二百二十一話 遼寧省での苦労その十二

「中国全体に線路をな」
「敷きますね」
「そうなるな、ひいては世界全体で」
「線路を敷きますか」
「そうなってくわ、既存の路線を軸にして」
 そしてというのだ。
「そうしてな」
「そこからですね」
「線路も拡大してくわ」
「そうされますか」
「何か北ではエカテリーナさんが罪人総動員して敷いてるらしいが」
 ロシアを治める彼女の話もした。
「インドのタゴールさんも」
「どうもお二人の政は罪人にはかなり苛烈ですね」
「らしいな」
 このことは屈もよく聞いている、実は二人の強さと苛烈さについて内心恐ろしいものを感じている。
「どうも」
「はい、ですから」
「線路敷くのもか」
「罪人を使って」
 そしてというのだ。
「酷使してです」
「敷いてるか」
「尚死ねば」
「生き返らせてやな」
「また酷使です」
「起きた世界の阪神中継ぎ陣真っ青や」 
 このチームの中継ぎ陣は何故か常に揃っているが酷使されているのは事実だろう。
「ほんまにや」
「阪神といいますと」
「ああ、野球のチームや」
「起きた世界のですか」
「そや」
 この世界でも野球は存在するのであっさりと話せた。
「そっちの世界の日本にあるチームで」
「どんなチームでしょうか」
「肝心な時に信じられん負け方をする」
 屈は阪神についてまずはこう言った。
「それでいて勝っても負けても華があって絵になる」
「そうしたチームですか」
「そして投手陣はええねん」
「それで中継ぎ陣はですか」
「いつも投げてるわ」
「大変ですね」
「ちなみに打線は打たん」
 伝統的にというのだ。
「そやから接戦が多くてな」
「中継ぎはですか」
「勝ってたらしょっちゅう出て来てな」
「いつも投げていて」
「酷使されていてな」 
 そしてというのだ。
「大変や、そして」
「ロシアやインドですと」
「罪人は中国以上にか」
「遥かにです」
 さらにというのだ。
「酷使されています、牢獄に入れるより」
「強制労働か」
「左様です」
 それに就かされるというのだ。
「その刑に処されます」
「そして徹底的にか」
「酷使されるのです」
「えげつないな、しかしな」
 それでもとだ、屈は述べた。
「それが凶悪犯やとな」
「そうした処罰もですね」
「当然やろ」
「罪には罰ですね」
「そういうことや、ほなな」
「このことはですね」
「エカテリーナさん、タゴールさんのやり方でな」
 それでというのだ。
「僕は僕や」
「屈様のやり方で」
「やってくわ、厳罰は当然にしても」
 そう考えているがというのだ。
「けどな」
「それでもですか」
「鉄道の敷設は普通にな」
「企業に話してそして労働者を用い」
「賃金も払ってな」
 無論福利厚生も考えてだ。
「そのうえでな」
「進めていかれますね」
「そうするわ、それで今は」
「このままですね」
「政をしてくわ」
 屈は老酒を飲んでから言った、その酒はかなり強かったが今の彼は美味いと感じた。そして己の限界も感じていたがそれでもやっていこうと思うのだった。


第二百二十一話   完


                 2021・8・8 
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