夢幻水滸伝
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第二百二十一話 遼寧省での苦労その十
「ステータスも特殊技能もちゃう、特に戦はな」
「六将星だけに」
「その中のお一人だけに」
「戦はお強いですか」
「先程の話の様に」
「まさに関菩薩や」
そこまでの強さだというのだ。
「あの人は。関菩薩やとな」
「もう無類の強さで」
「政もよい」
「それならですね」
「民もですね」
「今以上にええ暮らしが出来る」
そうなるというのだ。
「勿論民の安全と幸せは羅さんにな」
「約束してもらう」
「そうしてもらいますか」
「是非共」
「そのこともですね」
「お話してな」
そのうえでというのだ。
「約束してもらったらな」
「降る」
「そうされますか」
「民のことを約束してもらえば」
「その時は」
「若し民を知らんと言ったら降ることはせんで」
このことは断った。
「僕は」
「あくまで民ですね」
「民がどうかですね」
「民を大事にしてくれるかどうか」
「そのことが大事ですね」
「民と国土もな」
こちらもというのだ。
「無事に治めてくれれば」
「それで、ですね」
「いいのですね」
「屈様としては」
「それでよいのですね」
「そや、僕はいざとなれば身体一つで逃げられるけど」
屈自身はというのだ。
「民はそうはいかん、そして星のモンはな」
「この世界を護る」
「そして救う」
「それがお役目なので」
「だからですね」
「民は何があっても護る」
そうするというのだ。
「ほんまにな」
「そうしますか」
「ではですね」
「ここはですね」
「羅さんをこれからもよお見て」
その彼をというのだ。
「信頼出来る人やと見極めたら」
「降りますか」
「そのうえであの方の下で働く」
「そうされますか」
「そうするわ」
こう言うのだった、そうしたことも話してだ。
屈は瀋陽とその周辺旗揚げ時よりも人口も国土も倍以上に増えた勢力圏を治めていっていた。そうして。
彼は食事も摂っていた、この時は夕食であり。
ピータンと饅頭それに豚肉と青梗菜の炒めものと豆腐に多くの野菜が入ったスープを老酒と共に楽しんでいた。その時に。
料理人が彼にこう問うた。
「食後ですか」
「その時はな」
「果物ですね」
「林檎欲しいけどあるやろか」
「無論です、では食後はですね」
「林檎をな」
この果物をというのだ。
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