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夢幻水滸伝

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第二百二十一話 遼寧省での苦労その八

「ほんまにな」
「左様ですか」
「だからですか」
「今後どうするかを考えますと」
「羅様とどうお付き合いしていくかですね」
「戦うつもりはないで」
 屈はまずこのことを言った。
「あの人のところには魯さんもおられるし」
「もう一人の星の方ですね」
「あの方もおられますね」
「星の方がお二人」
「これは大きいですね」
「しかもお二人が僕より格上でな」
 星の者が二人いるだけでなくというのだ。
「しかも三十万の兵がおる」
「我々はそこまでいません」
「とてもです」
「十万もいません」
「今現在は」
「それやと勝てんしな」
 それにというのだ。
「しかも僕は戦はな」
「お好きでないですね」
「冒険はお好きだそうですが」
「あと手先を使うことは」
「鍵師は生粋の手先師や」
 それだとだ、屈は自分の職業のことも話した。
「鍵や宝箱を開けたり罠を見付けて解除したり何か作ったりするのは得意やが」
「それでもですか」
「戦闘は本分ではない」
「そうだというのですね」
「そしてな」
 それにというのだ。
「本来は術もない」
「左様ですね」
「鍵師は術を使う職業ではありません」
「身に着けるには専門で学ばないといけません」
「術を」
「星のモンは全部の術が使えるけどな」
 それも威力も極めて強い、このこともまた星の者の強みなのだ。それで屈も術は全てかなり強力なものが使えるのだ。
「しかしな」
「それでも専門ではない」
「結論として鍵師は戦向けでない」
「そうした職業ですか」
「戦闘も軍を指揮してもな」
 そのどちらでもというのだ。
「勿論軍師にも不向き、政もな」
「専門家ではない」
「そちらは政治家や官僚の本分ですね」
「それぞれの分野では漁師や農民や樵がいますが」
「それでも」
「鍵師はそちらでもない、ある程度以上は努力でどうにかなっても」
 それでもというのだ。
「やっぱり他の星の方のそれぞれの得意分野にはな」
「負けると」
「そう言われますか」
「どうしても」
「そうなのですね」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「僕は自分は精々遼寧省までやと思うし」
「羅様達ともですか」
「戦いませんか」
「そうされますか」
「そうお考えですか」
「話を聞くとお二人はこの世界でも出来た方や」
 羅と魯はというのだ。
「そやとな」
「降ってもですか」
「問題ないですか」
「そう言われますか」
「別にな、そやからな」
 それでというのだ。
「今はこのまま勢力拡大と内政に務めるけど」
「お二人が来られたら」
「その時はですね」
「降ることもですか」
「むしろそれを念頭に置いてな」
 そうしてというのだ。 
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