夢幻水滸伝
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第二百二十一話 遼寧省での苦労その四
「それが一番早いかと」
「そうなるな」
「世界を救うことは世界を平和にする」
市長は屈に確かな声で述べた。
「そうではないでしょうか」
「それはその通りやな」
「この世界は海の魔神の呪いからは解放されました」
「石に変えられて海に沈んでたな」
「そうでしたが」
「その呪いから解放されたな」
「ですがその時この世界を一つにして治められていた方はもう亡く」
そうなっていてというのだ。
「後はです」
「それぞれの勢力に分かれてやな」
「一言で言うと群雄割拠です」
「どの国もそうなってるな」
「無論この中国もで」
「遼寧省自体もな」
「そうなっています」
群雄割拠の状況だというのだ。
「大小の多くの勢力に分かれています」
「そうした状況やな」
「はい」
「それでその大小の勢力を収めて」
「まずはこの遼寧省の統一をすべきかと」
「そしてこの省を的確に治める」
屈は自ら言った。
「そうすべきやな」
「そうかと」
「そうか、やってみるか」
「そのお力なら」
屈のそれならとだ、市長は彼に話した。
「遼寧省の統一はです」
「出来るか」
「間違いなく」
太鼓判を押した言葉だった。
「ご安心下さい」
「そうなんか」
「レベル二百四十以上で」
そしてそれに伴う高いステータスでというのだ。
「しかも多くの特殊技能を持たれているので」
「大丈夫か」
「その辺りのチンピラどころか」
市長はさらに言った。
「この世界の神々に匹敵するのです」
「星のモンはまさに神やな」
「そうです、ですから」
「どんな相手にも負けんか」
「神以外には」
「神に勝てるモンは神か」
「人にも獣にもモンスターにも。星の方お一人で十万の兵に匹敵します」
そこまでの強さだというのだ。
「そして政もです」
「そっちもか」
「やはり神に匹敵しますので」
そちらのことでもというのだ。
「ですから」
「やっていけるか」
「むしろここで断られると」
屈にというのだ。
「私共は困ります」
「星のモンに見捨てられると、か」
「はい、ですからどうかです」
「この瀋陽からか」
「まずは遼寧省を統一して」
そしてというのだ。
「それからもです」
「そこまで言われたら」
屈としては彼の性格的に断れなかった、それでだった。
彼は瀋陽とその周辺の棟梁になった、行政機関はそのままにして市長や町長、村長もそうした。そしてだった。
政をはじめるとここでだった。
屈は難しい顔で周りの官吏達に話した、瀋陽の市庁の一室に自分の部屋をもうけてそこで執務を行いながらだった。
「いけてるやろか」
「はい、驚くまでです」
「政が進んでいます」
「これまでよりも遥かにです」
「そうなっています」
「治安はこれまで以上によくなり」
その政の具体的な結果の話をした。
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