八条学園騒動記
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第六百四十話 最低な奴だからその一
最低な奴だから
フランツはタムタムと共にキャンプファイアーを観ながら視界に蛸坊主の様な顔立ちで目付きが悪く黒髪をパーマにした小型で茶色い肌の男を見た。
するとタムタムから言って来た。
「おい」
「ヒサナオ=タニオーだな」
フランツは彼の名前を言った。
「いるな」
「あいつが来たらな」
「ここを去るか」
「そうするぞ」
「俺達もか」
「あいつに絡まれていいことがあるか」
「ないな」
一切とだ、フランツも答えた。
「有名な奴だからな」
「性格が悪いことでな」
「二年B3組だけじゃないな」
彼の所属しているクラスだけでないというのだ。
「この学園でもな」
「有名人だ」
「嫌われ者でな」
「第三ボクシング部でもだ」
所属している部活でもというのだ。
「もうな」
「徹底的に嫌われているな」
「強い奴には媚び諂い」
そうしてというのだ。
「弱い奴はな」
「徹底的にいじめて意地悪をするらしいな」
「平気で嘘を吐いてだ」
「悪意を持った相手のことを周りに吹き込むな」
「それで攻撃される様にするな」
「そしてケチで図々しくて欲深い」
「しかも自己中心的だったな」
こう二人で話した。
「そう思うとな」
「最低の中の」
「最低だな」
「そんな奴だ」
二人で彼を見ながら話した、見れば。
彼は一人で立っていて周りを睨み回している、周りはそんな彼を見ると汚物を見る目で一瞥して去っている。
フランツもそれを見てタムタムに言った。
「俺はあいつと話したことはないんだがな」
「それでもわかるな」
「あいつが嫌われていることはな」
こうタムタムに話した。
「よくわかる」
「それはどうしてかというとな」
「日頃の行いだな」
「それがあまりにも悪いからな」
「嫌いな相手は自分が嫌えばいいだろ」
フランツは自分の考えを述べた。
「周りに吹き込んで陥れるか」
「しかも粗暴な相手にな」
「暴力を受ける様にもだな」
「してきたからな」
「腐った奴だな」
「部活で他人の出席を全部欠席に改竄したりもしたらしい」
「そればれたか」
フランツはタムタムに問うた。
「俺でも嫌いになるぞ」
「俺もだ」
タムタムもだった。
「そんな奴はな」
「そんなことをしたらな」
「全員から嫌われるな」
「そうなって当然だ」
まさにというのだ。
「俺でも嫌う」
「お前は人は嫌わないがな」
タムタムはフランツのこの気質をよく知っている、彼は人だけでなくどんな物事にも好き嫌いが殆どないのだ。
しかしそのフランツでもとだ、タムタムは今思うのだった。
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