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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百十二話 一同、赤壁に出陣するのことその八

「妖術には妖術ですけれど」
「妖術?」
「毒を制するには毒なのよ」
 程昱は自分の隣で声をあげた郭嘉にも返した。
「例えば桂花ちゃんには陳花ちゃん」
「むう、ああいうことか」
「ああいうことっていうのは何よ」
「こんなのと一緒にしないでよ」
 二人のやり取りに白猫と黒猫が文句を言ってきた。
「大体ね、国と民の為じゃないとこんなのと一緒にいないわよ」
「そうよ、全く幾つになっても胸がないんだから」
「胸がないのはあんたもでしょ」
「そっちこそ。全然成長しないじゃない」
「こういうことです」
 程昱は会議の場でも仲の悪い二人を横目で見ながら言った。
「ですから妖術には妖術、胸には胸です」
「ううむ、そういうことなら」
「凛ちゃんには袁術さんで」
 今度はこんなことも言う程昱だった。
「七乃さんは中身も胸が大きいのでここは外も中も胸の小さい同士にしてみました」
「それはいい組み合わせだよな」
 程昱の頭の人形も言う。
「まあ二人共脚はいいけれどな」
「脚には脚で」
 程昱はまた言った。
「で、やっぱり妖術には妖術です」
「妖術、ですか」
「あの、それですと」
 孔明と鳳統はすぐにだ。こう言いだした。 
 その表情も口調も暗くなってだ。それで言うのだった。
「またあの人達なんですけれど」
「最近そのパターンばかりじゃないですか?」
「そうね。言われてみれば」
 諸葛勤も妹達の言葉に暗い顔で頷く。
「歌の大会も最後はそれだったし」
「できればです」
「他の人いませんか?」
「あかりに頼むのです」
 陳宮はすぐに解決案を出した。
「あかりは巫女ですから妖術には強い筈なのです」
「そうね。あかりの他にもね」
 賈駆も陳宮の言葉に頷いて言う。
「巫女やそうした娘が多いから」
「あの娘達の力を借りるのです」
「結界を張るのですね」
 蔡文姫もこの場にいる。そして言うのだった。
「軍全体に」
「そうですね。あかりちゃんだけでなく」
「ナコルルさんにリムルルちゃんもいますし」
 孔明と鳳統の顔が少し明るくなった。そうして二人は言うのだった。
「月さん、命さん、神楽さんと」
「大勢おられますし」
「楓や覇王丸達もいいわね」
 周瑜は彼等の名前も出した。
「何かしらの力の持ち主も借りましょう」
「その方々に陣の四方八方にいてもらい」
「そうして軍全体に結界を張りましょう」
 孔明と鳳統の考えがさらに進んだ。
「そうすればです」
「落雷は防げます」
「そして妖術全体もね」
 周瑜はこのことも話した。
「防げるわね」
「そうなんですよ。妖術は落雷だけじゃないんですよ」
 陸遜はここでもおっとりとした口調のままである。
「下手すれば芋虫みたいな神様だって出て来ますよ」
「そっちの世界の話は止めておくべきね」
 周瑜はその話は止めた。
「言っておくけれど私は北の国の女の子じゃないから」
「私は白い軍服着てますよね」
「だから。そっちの話はするときりがないから」
「わかりました」
「とにかくですね」
 郭嘉がまた話す。
「ここは結界で対抗しましょう」
「そうね。それがいいわね」
 荀攸も郭嘉のその言葉に頷いた。
「ただ。空のことだから」
「空?」
「ええ。空も飛べる面々もいるじゃない」
「その連中の話はもう止めるのです」
 陳宮が荀攸の話を止めようとしてきた。
 
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