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夢幻水滸伝

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第二百二十話 神と天の二人その十六

「それでもな」
「ええか」
「我も三つ使ってる、それでもな」
「まだまだ部屋はあるか」
「何しろ三千人の宮女とや」
「百人以上の奥さんにな」
「宦官達も大勢おる場所や」
 起きた世界ではというのだ。
「そうした場所にな、周りのことをしてくれる人はおってもな」
「それでもやな」
「何十人位でそれでいつもここを掃除してくれる人達もおっても」
「後宮と比べたらな」
「人は遥かに少ないんや、伽藍とした感じでな」 
 それでというのだ。
「広過ぎて困っててな」
「おいらもか」
「来て欲しいんや」
 即ち一緒に住んで欲しいというのだ。
「それで誘いかけた、これからは仲間にはな」
「この紫禁城でか」
「部屋持って欲しい、万の人がおる場所に我がおって」
 そしてというのだ。
「掃除の人入れて三百おるかどうか」
「寂しいな」
「皆住み込みやけどな」
「万で三百やとな」
「ほんま伽藍としてるからな」
 それ故にというのだ。
「これかはらな」
「一緒にやな」
「住もうな」
「ここでか、しかしな」
「しかし?どないしたんや」
「いや、ここは自分の場所で」
 羅の後宮でというのだ。
「何なら自分が奥さん迎えて」
「それで後宮をか」
「もうけたらどないや」
「そうしたらか」
「そういうことは考えてへんか」
「我は別に奥さん何人もおってウハウハとかな」
 そうしたことはというのだ。
「別にな」
「興味ないか」
「特にな」
「そやねんな」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「別に後宮はな」
「もうけんか」
「付き合うにしても一人でな」
 それでというのだ。
「三千人とかな。あと宦官はな」
「あの連中はか」
「正直イメージ悪いからな」
 羅は彼等については難しい顔で述べた、二人で本来は後宮になる建物の中を歩きながら話したのだった。
「ほんまに」
「起きた世界やとな」
「その人次第でもな」
「悪い奴目立つからな」
「趙高とか魏忠賢とかな」
 その彼等はというのだ。
「ほんまにな」
「邪悪そのものやからな」
「ああした連中が蔓延るかと思うと」
「宦官はやな」
「いらん」
 この世界にはというのだ。
「ほんまにな」
「そやからやな」
「宦官は置かん」
 これからもというのだ。
「絶対にな」
「そうするな」
「まあ宦官でも佞臣置かんとええけどな」
 それでもというのだ。
「後宮がないとな」
「宦官はいらんな」
「何で宦官が必要か」
 それはというと。
「後宮があるからや」
「そやな」
「それで後宮がないとな」
「もう宦官はいらんな」
「そやさかいな」
「置かんな」
「後宮がないからな」
「それでええわ、ほんま後宮がないとや」
 魯も言った。
「宦官はな」
「いらんな」
「特別に作らんでも」
 宦官達をというのだ、宦官は去勢された男子である。その為髭は生えず声も普通の男の声と違ってくるのだ。
「いらんならええ」
「このままやってくな」
「ああ、他の奴は知らんが」
「自分はやな」
「それでええわ」
 こう言ってだった。
 羅は酒も飲んだ、そのうえで出陣の準備が整うとすぐに魯と共に北京を出た。河北省を統一した彼は次の動きに入った。


第二百二十話   完


                  2021・8・1 
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