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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百十二話 一同、赤壁に出陣するのことその一

                          第百十二話  一同、赤壁に出陣するのこと
 歌の大会の後でだ。遂にだった。
 劉備達は出陣する。その中でだ。
 張角が言うのだった。
「私達も一緒なのね」
「ええ、歌で皆を元気付けて欲しいから」
「それで」
 その張角に張梁と張宝が話す。
「同行することになったのよ」
「勿論報酬は弾んでくれたわ」
 金の話も自然に出る。
「おまけに出陣の間御馳走どんどん出るみたいだし」
「悪い条件じゃないわ」
「ですから私達もです」
 下喜達親衛隊の面々もここで言う。
「御一緒させて頂くことになりました」
「その様に」
「わかったわ」
 その話をだ。張角はすんなりと受け入れた。
 そうしてそのうえでだ。彼女達も出陣に同行するのだった。
 その彼女達を見てだ。兵達は早速だ。
 テンションを上げてだ。こう言うのだった。
「よし、三姉妹も同行だ!
「ずっと歌が聴けるんだな!」
「よし、頑張るぞ!」
「それなら!」
 こう言ってだ。彼等の士気は今からかなりのものだった。その高い士気でだ。
 全軍意気揚々と洛陽に向かう。しかしその先陣では。
「おーーーーーーーーーっほっほっほっほっほ!」
「全く。言い出したら聞かれないから」
「困ったことね」
 田豊達袁紹の軍師の面々が溜息をついていた。何故なら。
 先陣は袁紹だからだ。高笑いをする主達を見て言うのだった。
「先陣は自分だって言い張られて」
「本当にでしゃばりなんだから」
「先陣は将の誉れですわ」
 こうだ。袁紹は誇らしげに笑って言うのだった。その彼女達に。
「それを受け持つよう声をあげるのは」
「当然だっていうんですか」
「それで今も」
「そうですわ。わたくし達の軍で」
 何をするかというのだ。袁紹は。
「オロチでもアンブロジアでも何でも倒しますわ」
「ですから。迂闊に前に出られたら」
「的にされますよ」
「麗羽様はただでさえ目立つのに」
「それで出られては」
「安心なさい」
 袁紹は胸を張って言い切った。
「わたくしには弓矢も槍も当たりませんわ」
「こんなことを言われるから心配なんですよ」
「本当に向こう見ずなんですから」
 こう言ってだ、彼女達は今から心配することしきりだった。だが何はともあれだ。
 彼女達は順調に進んでいる。それは確かだった。
 都を出て数日でだ。一行は揚州まで暫くの場所まで来た。そこでだ。
 一旦休止に入りだ。その中でだ。
 こうだ。孫策が一同に話した。
「揚州のことなら任せておいてね」
「そうよね。地の利はあるわよね」
 こうだ。孫策の言葉に凛が頷いた。
「孫策さん達は元々この地で育ったし」
「そうよ。だからよく知っているわ」
 それでだというのだ。
「だからその赤壁もね」
「知ってるってことか」
「そうなるな」
 夜血と灰人も彼女の言葉を聞いて頷く。
「じゃあここはな」
「任せていいな」
「ええ、陣を敷く場所もその布陣もね」
 そうしたことまでだというのだ。
 
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