学生声優
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第二章
「けれどね」
「ちょっと背まではね」
「チェックする人はいても」
「私達そこまでだったし」
「あんなに小さいなんてね」
「思わなかったわね」
「正直驚いたわ」
萌花は本音を述べた。
「人気声優があんなに小さいなんて」
「掌サイズって言えば言い過ぎだけれど」
「本当に小さいわね」
「あんな小さな身体で演技してるの」
「殆ど子供だけれど」
「ハードな演技もしてるけれど」
「そうね、さて後は性格だけれど」
肝心のそれはというのだ。
「どんな娘かね」
「観ましょう」
「性格悪いと付き合わない」
「それでいきましょう」
「そうしましょう」
友人達はこう話した、そして観ると満里奈は性格は穏やかで真面目で取り立てて問題はなかった。強いて言うなら仕事で時々いなくなる位だった。
それで次第にクラスに入り萌花達とも普通に話す様になった。
そしてある程度親しくなってだ、萌花は満里奈に体育の授業の時に彼女と一緒に準備体操をしつつ尋ねた。上は白の体操服で下は黒の半ズボンだ。
「ちょっといい?」
「どうしたの?」
満里奈は地声で応えた、仕事の時は高い声も出すが地声はわりかし低い。
「一体」
「あんた背低いわよね」
「よく言われるわ、気にしてないけれど」
一緒に体操をしつつの返事だった。
「今更だし」
「そうなの」
「というか声優さんって小さい人多いのよ」
「そうだったの」
「私は特に小さい方だけれど」
それでもというのだ。
「そうした人特に女の人に多くて」
「あんた別になの」
「いいと思ってるわ、実際にイベントに行ったらわかるわ」
そうすればというのだ。
「背の高い人もいるけれど」
「小さい人が多いのね」
「私は実際の身長公表してるけれど」
それでもというのだ。
「ザバ読んでる人もね」
「いるの」
「そう、萌花ちゃんみたいな人は」
「背高い人はなのね」
萌花も自分のことは自覚している、大女と言われたりもするが気にしても仕方ないと思ってスルーしている。
「あまりいないのね」
「そうなの、まあ私はかなり小さい方だけれどね」
満里奈は笑って話した。
「その小柄な人が多い業界の中でも」
「一四五ないと」
「最初ずっと小さくて嫌だったのよ」
この小柄さがというのだ。
「けれど小さい人、私程じゃなくてもそうした人多くて」
「そうした業界で」
「しかも小さいことがかえって人気になってるし」
「そうなの?」
「小柄萌えって人も多いの」
「ああ、実際小柄だと可愛いわよ」
満里奈もその通りだと答えた。
「女の子って。私でかいから言うけれど」
「背高くても人気出るでしょ」
「けれど小柄は小柄で」
そちらでもというのだ。
「トイプードルやマルチーズと同じね」
「じゃあ大きいと秋田犬とかシェパードとか?」
「流石にセントバーナードまではいかないけれど」
そこまで大きくはないがというのだ。
「大きくても人気出るけれど」
「小柄は小柄でもね」
満里奈は萌花を見上げて彼女に話した。
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