八条学園騒動記
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第六百三十八話 酒が進むその九
「そしてな」
「夜に働くのね」
「そして食べる」
その様にするというのだ。
「そうしている、そして終われば」
「宴会よね」
「ラマダンが終わればな」
その時はというのだ。
「よく頑張ったということでだ」
「楽しく食べる」
「たらふくな」
「そうしているわね」
「元々ラマダンは飢えを知ってな」
ラマダンを行う目的の話もした。
「そうしてだ」
「飢えている人の苦しみを知る為だったわね」
「厳格に言うと唾も飲んではいけない」
「厳しいわね」
「飢えだけでなく渇きもだ」
これもというのだ。
「知る為のものだ」
「苦しみを知ってそこから労わりを知る」
「その為のものだ」
「そう考えると尊いわね」
「そうだな」
「イスラム教は見るべきものが凄く多いわね」
「だからこそだ」
そうした教えだからだというのだ。
「あっという間に広まってだ」
「今も信者さん多いのね」
「寛容で勧誘も上手でな」
「暮らしやすくて」
「しかもそうした大事なことも学べる」
「そうした宗教だから今も信者さん多くて」
「サハラは完全にイスラム世界でだ」
そしてというのだ。
「何千億もの信者がこの連合にもだ」
「いるわね」
「そうなっている」
「そうよね、ユダヤ教徒はね」
「五十億か」
「連合全体合わせてね」
「それ位か」
「ええ、もうね」
それこそというのだ。
「それ以上はね」
「増えにくいか」
「だって信者さんを増やす考えがね」
「ないな」
「それで教理もね」
これもというのだ。
「あの通りで」
「戒律が多いか」
「何度も言うけれど贅沢は」
これはというのだ、アンはイスラエルにいた時の街のあちこちそしてCMにもあった標語を思い出して話した。
「厳禁っていうね」
「そうした宗教だな」
「お金を稼いでもね」
「自分の贅沢にはか」
「あまり使わないのよ、ロスチャイルド家も」
この家はこの時代でも存在していてイスラエルに拠点を置いている。
「五つの家全部復活したけれど」
「途絶えていた家を継ぐ人が出てだな」
「そうなったけれど」
それでもというのだ。
「お屋敷もね」
「質素か」
「連合でも指折りの富豪でもね」
「質素な生活か」
「そうよ、お金は稼いでもいいの」
「それはいいな」
「というかお金は命」
アンは強い声で話した、そしてワインを飲んだ。それからまた言った。
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