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夢幻水滸伝

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第二百十九話 幻術師の決断その一

                第二百十九話  幻術師の決断
 魯舎はこの世界に来てすぐに心に語られた言葉と自身の神具である黒麒麟の説明を受けてこの世界とこの世界での自分のことを知った。
 そのうえでだ、こう言った。
「事情は大体わかったわ」
「それは何よりです」
 黒麒麟は笑顔で応えた。
「ではこれより」
「この世界を救う為にやな」
「お働き下さいますね」
「そうさせてもらうが」
 しかしとだ、魯は考えろ顔で述べた。
「おいらは一つの勢力を築くとかな」
「そうして勢力を拡大させてですか」
「中国を統一してな」
「ご自身が星の方々の盟主となられてことを進められる」
「そんな柄やないわ」
「そうですか」
「それは自分でわかってる」 
 虎の頭のその顔で言った。
「そやからな」
「だからですか」
「そや、それでな」
「旗揚げ等は」
「せんわ、けどな」
 それでもとだ、魯は黒麒麟に話した。
「おいらも自分さえよければええどかな」
「そうしたお考えはないですね」
「そうした役目を与えられてな」
 そしてというのだ。
「この世界に来たなら」
「それならですか」
「頑張ってな」
「この世界を救って頂けますか」
「そうしたい、それでおいらは幻術師やな」 
 今度は職業の話をした。
「そやな」
「はい、そうです」
「そして種族は虎人で全部の術が使える」
「左様です」
「神具は自分と混元傘と禁鞭もある」
「前者は敵のあらゆる攻撃を防いで跳ね返します」
 黒麒麟は神具の説明もした。
「そして後者はかなり広い範囲も攻撃出来る土属性の鞭です」
「棒みたいな鞭でなくてな」
 中国にはこうした鞭もある、魯も中国人なのでこのことをよく知っているのだ。これを武器とする水滸伝の豪傑もいる。
「しなる細長い鞭やな」
「そうです」
 まさにというのだ。
「その鞭をです」
「使ってやな」
「そうしてです」
 そのうえでというのだ。
「戦闘も出来ます」
「つまり術も格闘も出来る」
「ご主人はかなりの戦闘力も備えておられます」
「そやな、ほなこの力を使ってな」
「人助けをされますか」
「しかも知力や政治力も高い」
 この世界に元からいる者達を圧倒している、その差は神と人程違う。
「そういうのも使ってな」
「そうしてですね」
「ことを進めていくわ」
「そぷされますね」
「そうするわ、勢力の旗揚げとかは考えてへんが」
 それでもというのだ。
「その様にな」
「やっていかれますね」
「修行もする」
 そちらも忘れないというのだ。
「そうしてな」
「困っている人達を助けられますか」
「この河北省を中心に、旅をしつつ」 
 そのうえでというのだ。 
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