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八条学園騒動記

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第六百三十七話 酒池肉林とはその二

「僕達はこうしてな」
「酒池肉林なのね」
「そうだ」
 そうなっているというのだ。
「思いきり飲んで食べられる」
「そうなのね、ただユダヤ教では」
 アンは牛肉を食べつつ述べた。
「やっぱりね」
「こうした酒池肉林のパーティーもか」
「バーベキューでさえね」
 連合全土でよく楽しまれるこれもというのだ、肉や野菜だけでなく魚介類も焼くのが連合のバーベキューである。
「イスラエルだとね」
「駄目か」
「かなり否定的なのよ」
「そうなのか」
「兎に角ね」
「イスラエルだとだな」
「禁欲的で」
 それでというのだ。
「酒池肉林なんてね」
「実際の言葉の意味でだな」
「つまり飲み放題食べ放題も」
「駄目か」
「節度を持ってというか」
「禁欲的にだな」
「質素な料理を少しね」
 そうしてというのだ。
「食べることがね」
「イスラエルだといいか」
「ユダヤ教ではね」
「そうした教えか」
「イスラムだと贅沢はいいわね」
「喜捨を行うとな」
 ギルバートは今度は日本酒を飲んだ、あの熱い泉燗であるがその一口で終わりだった。そしてすぐに赤ワインを手にして話を続けた。
「それでだ」
「いいわね、ユダヤ教だとね」
「喜捨もしてか」
「イスラムで言うとね」
「それでか」
「そうしつつね」
「質素にか」
「暮らすことがね」
 それがというのだ。
「理想でね」
「その理想に反するな、か」
「清教徒よりも質素であれ」
「あの質素で有名なか」
「あの人達よりもね」
 さらにというのだ。
「さらにだから」
「こうしたこともしているとか」
「クレームが付くのよ、今言ってる通りに」
「ラビの人からだな」
「あと真面目な人達からも」
「真面目な人も多そうだな」
「多いわよ」
 実際にというのだ。
「そうしたお国柄だから」
「やっぱりそうか」
「こうして皆で食べ放題飲み放題で」
「酒池肉林だとか」
「居酒屋でもね」 
 そこでもというのだ。
「真面目な人達が言うから」
「窮屈だな」
「窮屈なのがユダヤ教ってことよ」
「それでこうしたことも駄目とはな」
「堕落と思われるから」
「堕落も罪だな」
「それでね」
 堕落と思われる行動を採ると、というのだ。 
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