夢幻水滸伝
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第二百十八話 北京からその八
「そうしてな」
「国境はかなり北です」
「それも遥かに」
「そうした状況です」
「ですからあの長城は北京等の防衛ラインになりますが」
「国境ではないです」
「そやな、そこはちゃうな」
羅はあらためて言った。
「ほんまに」
「はい、東北の三省の守りもあります」
「そちらをどうするか」
「その問題もあります」
「今後は」
「そやな、統一したらな」
その場合のこともだ、羅は話した。
「そこもどうするかや」
「左様です」
「その時のこともお考え下さい」
「国防の為に」
「そうされて下さい」
「是非な、しかしな」
羅はあらためて言った。
「それはまだ先や」
「左様ですね」
「統一、少なくとも国境まで勢力を拡大してですね」
「そこからのことですね」
「そうなりますね」
「そや、モンゴルともロシアともな」
両国のことも話した。
「どうするかや」
「左様ですね」
「国防については」
「ですが長城は国境ではない」
「そのことはご了承下さい」
「わかったわ、しかしな」
ここでだ、彼はまた言った。
「そろそろ長城の北にも勢力が及んできてる」
「はい、そちらの街や村も入ってきています」
「それでそうなっています」
「これまでは長城の南だけでしたが」
「そうもなってきています」
「そやな、そうした街や村を治めていって」
羅はさらに話した。
「そしてな」
「そのうえで、ですね」
「勢力をさらに拡大させ」
「そうしてですね」
「星の方もですね」
「仲間にしてく、まずは魯やな」
彼のことを言うのだった。
「あいつは特にか」
「はい、別に勢力を持たれず」
「河北省で人助けをしつつ修行に励まれています」
「特にです」
「野心がおありではないです」
「元々明るくて元気のええ奴でな」
起きた世界での彼の話もした。
「それでな」
「権力やそうしたことには執着がない」
「そうした方ですね」
「あの方は」
「それでこの世界でもですか」
「ああ、ほなあいつとな」
羅は考えながら言った。
「会うか」
「そうされますか」
「その様にされますか」
「そしてですか」
「仲間に加えられますか」
「何でも一人より二人や」
羅はこうも言った。
「政でも戦でもな」
「だからこそですね」
「魯様を配下に加えられたいですね」
「そうされたいですね」
「ここでな、ほなあいつのおる場所に行くか」
こう言うのだった。
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