八条学園騒動記
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第六百三十六話 泉燗その九
「それでね」
「そうしているか」
「そう、けれどね」
「それでもか」
「こっそりならね」
隠れてというのだ。
「それこそネット配信とかテレビの前で食べないと」
「いいか」
「それならな」
「それは随分違うな」
「プライベートでお店で食べるなら」
それ位ならというのだ。
「大目にね」
「見てもらえるか」
「他教徒の人と交際しても」
自分の様にというのだ。
「それで結婚もね」
「いいか」
「自分が信仰を捨てないなら」
イスラエルの外ではというのだ。
「それで市民の籍がイスラエルのままなら」
「いいか」
「そこまで違うのよ」
「本当に千分の一位だな」
ギルバートもここまで聞いて思った。
「全く違うな」
「まあそれだけイスラエル本国がね」
「監視が厳しいか」
「だからスパルタなのよ、こうして人前でお酒を飲んで」
酒の熱さに少し舌が火傷しそうだと思いつつ述べた。
「お祭りをすることも」
「駄目か」
「贅沢厳禁よ」
そうしたお国柄のことをまた話した。
「だから学校でもね」
「文化祭はあるな」
「体育祭もね、けれど打ち上げで」
「こうしたことはしないか」
「内容も厳粛で」
そうしたものでというのだ。
「文化祭は全部ユダヤ教よ」
「それ関連だけか」
「だから恐竜の紹介とかも」
これもというのだ。
「やれないのよ」
「それもか」
「もうイスラエルの文化祭は」
「全部宗教か」
「ユダヤ教よ」
「他はないか」
「伊達に宗教国家じゃないわよ」
こうも言うのだった。
「もう全てがね」
「神とかモーゼとか十二支族か」
「ダビデとかソロモンとかね」
「サムソンもあるな」
「それでイスラエルの歴史もあるけれど」
「宗教だな」
「そればかりよ」
「イスラムだとそれでも賑やかになるがな」
ギルバートは自分の信仰の話もした。
「そうなるがな」
「そうよね、イスラム教だとね」
「少年漫画みたいな展開ばかりでな」
「寛容だから」
「文化祭をイスラム教関係限定にしても」
イスラエルの学校の様にそうしてもというのだ、ユダヤ教とイスラム教の違い故にそうなるというのだ。
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