おぢばにおかえり
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第六十六話 好き嫌いその四十三
私達は教会である私達のお家に帰りました、その間阿波野君は私の傍にずっといてくれました。そうしてでした。
教会に着くとです。
お母さんが私にこう言ってきました。
「ちゃんと案内してあげた?」
「そのつもりだけれど」
「ならいいわ、その子本当に大事にしなさいね」
「お母さんもそう言うのね」
「だって千里の後輩で」
同じ天理高校のというのです。
「しかも同じ大教会だしね、これはお引き寄せよ」
「それ言ったら奥華の人皆そうじゃない」
年下の子は皆です。
「高校は違っても」
「ええ、けれどね」
「それでもなの」
「その子は大事にしてあげてね」
「そうなのね」
「そう、いいわね」
「ええ、いつも言われてるし」
お母さんにもです。
「そうさせてもらうわね」
「いいわね、ただね」
「ただ?」
「千里は鈍いわね、誰に似たのかしら」
「鈍い?」
「かなりね」
こんなことを言ってきました。
「やれやれよ」
「何が鈍いのよ、前も言わなかった?」
「そうだったかしら」
「そんな気がするわ」
こう私に言うのでした。
「そこがどうもね」
「どうもって何か悪いみたいね」
「悪くはないけれど困るわ」
「誰が困るかもわからないわ」
「もう積極的にいってくれないとね」
お母さんは今度は阿波野君を見ました。
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