麗しのヴァンパイア
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三百九十五話
第三百九十五話 中の具
華奈子は赤音から貰ったお握りを食べた、そしてその中にある昆布の味も確かめてそのうえでこんなことを言った。
「この昆布のお塩の味もね」
「いいのね」
「ええ」
赤音に笑顔で答えた。
「食欲そそるわね」
「お握りって中の具も大事よね」
「そうよね、梅干しとかおかかとかね」
「鮭もいいし」
「それでこの昆布もね」
「いいのよね」
赤音も笑顔で応えた。
「これが」
「あたし一番好きなのは梅干しだけれど」
「華奈子ちゃんはそっちなの」
「あの酸っぱさがね」
梅干しのそれがというのだ。
「余計に食欲をそそって」
「それでなのね」
「一番好きなの、けれどね」
「今食べてる昆布もなのね」
「好きでね」
それでというのだ。
「今嬉しいわ」
「昆布を食べられて」
「そうなのよ」
「そうなのね、じゃあね」
赤音は華奈子のその言葉を聞いて言った。
「今度華奈子ちゃんもね」
「お握り作った時は」
「華奈子ちゃんの好きな梅干しとね」
それと、というのだ。
「昆布もね」
「入れるといいわね」
「そう思うわ」
こう華奈子に話した。
「そうしたらね」
「そうね、じゃあ今度お弁当作る時は」
「お握りにして」
「中の具はね」
それはというのだ。
「梅干しと昆布」
「その二つにしたらいいわ」
「じゃあそうするわね」
「ええ、お握りはそれだけでも美味しいけれど」
「中の具が好きなものだとね」
「余計にいいからね」
笑顔で話をした、そしてだった。
華奈子はその昆布のお握りも楽しんだ、そのお握りは確かに美味く華奈子は食べていて幸せを感じていた。
第三百九十五話 完
2021・8・20
ページ上へ戻る