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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百四十一話 八条荘に帰ってその八

「何度も言うけれどな」
「優勝しても何もないね」
「何も安くならないでフィーバーにもならないだろ」
「阪神と違ってね」
「阪神だったらな」 
 このチームはだ。
「フィーバーにもなるからな」
「いいんだね」
「ああ、だから俺もな」
「阪神の優勝を願うんだね」
「そうだよ、イタリアに戻ってもな」
 それでもというのだ。
「心からな」
「阪神の優勝を願ってるんだ」
「今年もそうなってくれ」
 優勝してくれというのだ。
「それも日本一だ、ただな」
「ただ?」
「まあ負けてもな」
 例えそうなってもというのだ。
「巨人以外だったらな」
「許せるのかな」
「ああ、ロッテの時みたいに負けてもな」
 伝説の三十三対四、二〇〇五年の日本シリーズのことだ。ペナントは圧倒的な強さだったがシリーズでは圧倒的な惨敗だった。
「ネタにはなるしな」
「いいんだ」
「そう思わせるのも阪神だ」
 このチームのいいところだというのだ。
「負けても愛嬌があるだろ」
「何処かね」
「絵になって華もあるな」
「勝っても負けてもね」
「何があっても絵になって華があるんだ」
 阪神タイガースというチームはというのだ。
「そこがいいんだよ」
「そうしたチームだってことが」
「だからな」
「負けてもな」
「それでもいいんだね」
「そうも思うな」
 ただし巨人は駄目だ。
「何処かな」
「そう思わせるのも阪神だね」
「巨人は違うからな」
「負けてこそだね」
「絵になるんだよ」
 このチームについてはだ。
「巨人には無様な負けがよく似合う、だよ」
「富士には月見草がよく似合うで」
 太宰治のこの一句を思い出した。
「それでだね」
「巨人はそうなんだよ」
「悪いチームだからこそ」
「あんな悪いチームはないからな」
 まさに戦後日本の邪悪の象徴である、このチーム程悪事を重ねてきたスポーツチームはそうはないだろう。
「だからな」
「負けてだね」
「そうなってこそな」
 まさにというのだ。
「日本にとっていいんだよ」
「そして日本がよくなったら」
「日本の世界への影響力考えたらな」
「伊達に太平洋三大国の一国でね」
「世界でもな」
「かなりの地位なのは事実だしね」
 アジア太平洋地域を縁の下で支えているだけでなくてだ、やっぱり日本がそうした地位にあることは事実だ。
「それだとね」
「それならだろ」
「日本が元気だったら」
「世界にもいい影響与えるな」
「そうだよね」
「だから巨人が弱いとな」
 この邪悪なチームがだ。 
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