恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百十話 八神、都に来るのことその十一
「本当に殺しかねないけれどいいのかよ」
「丈はそう簡単に死なないのです」
だからだ。いいというのが陳宮の考えだった。
「適当にやり合って遺恨がない様にするのです」
「まあなあ。この二人も結構な腐れ縁だしな」
草薙もだ。丈とビリーのことは知っていた。
「最初のキングオブファイターズの頃からだしな」
「あの頃はサウスタウンだけでやってたんだよ」
丈がその頃のキングオブファイターズについて話す。
「一対一でな」
「あの頃はあれだったな」
ビリーもそのキングオブファイターズについて話しだした。
「移動するのも楽だったな」
「結構今大変ですからね」
真吾が知っているのは今のキングオブファイターズのことだ。そのことをだ。
思い出してだ。こう言うのだった。
「世界各地を行き来してですから」
「けれどそれもまた楽しいからな」
草薙は濁り酒を飲みながら笑って話す。
「闘いの前後は観光旅行もできるしな」
「まあそれはそうですけれど」
「イタリアなんかよかったな」
「イタリアですか」
「ああ、パスタもピザもあってな」
草薙は焼き魚だけではない。そうしたものも食べるのだ。
「紅丸なんかもうな」
「俺は刺身とパスタに目がないんだよ」
自分から言う二階堂だった。
「まあ刺身はイタリアじゃカルパッチョになるけれどな」
「けれどあれも嫌いじゃないだろ」
「結構好きだぜ」
実際にそうだとだ。二階堂は笑って話す。
「あと大門もだよな」
「うむ、イタリアのデザートは美味だ」
大門も二階堂のその言葉に頷いて言う。
「チョコレートサンデーもあるからな」
「チョコレートサンデーっておい」
「意外過ぎるのです」
大門の好物についてはだ。張遼と陳宮がすぐに突っ込みを入れた。
「五郎ちゃん甘いもの好きなんか」
「お酒好きそうなのにびっくりです」
「実際にこうして飲むが」
その通りだった。大門は今酒を飲んでいる。
しかしそれでもだとだ。彼は言うのである。
「だがそれでもだ」
「甘いものも好きやねんな」
「そうなのです」
「何でもバランスよく食べるようにしている」
この辺りは流石オリンピック選手だった。
「それが身体にいいからな」
「そう。何でも均等に食べる」
呂布も言う。
「身体にいい」
「じゃあねねも均等にたっぷり食べると」
どうなのか。陳宮はここで自分のことを思い詰める顔で言った。
「背も高くなるし胸も大きくなるのです」
「ねねはこれから」
呂布はぽつりと答えた。
「頑張る」
「はい、頑張るのです」
こう答えてだ。陳宮はこれからのことに意を決するのだった。
そんな話をしながら歌勝負、そして出陣に備えていた。そこからまた騒動が起ころうとしていた。
第百十話 完
2011・9・15
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