夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百十六話 無何有郷その五
「それでや」
「要塞の建築費用についても」
「よおなる筈や、しかしな」
「今はですね」
「その太宰君も財政家の職業のモンもおらん」
星の者にというのだ。
「そやから僕等の出来る限りのことをな」
「やっていって」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「完成させるで」
「そうさせていきますか」
「出来る限りのことをしてな」
「そうしますか」
「それしかないからな、幸い民に財政家も結構おるし」
それでというのだ。
「彼等に働いてもらってな」
「予算も上手に使っていきますね」
「そうしてく、そして」
リーは移動要塞を見ながらさらに話した。
「完成したらあの中に入って見回るで」
「どういったものかですね」
ブッパースウォングが応えた。
「そうしますね」
「そや、そしてな」
「そのうえで、ですね」
「どんなものか確かめる、そしてな」
リーはブッパースウォングにさらに話した。
「名前もな」
「付けますか」
「名前は完成してから付ける」
それはというのだ。
「そやからな」
「まずは完成させますね」
「そうするで」
こう言ってだった。
リーは内政を進めさせつつさらにだった。
軍を整え移動要塞の建設を進めさせていった、予算は確かに予想よりも多くかかったがそれでもだった。
建設自体は順調であり完成は刻一刻と進んでいった、だがここでシェリルは仲間達にこんなことを言った。
「南洋は食べものには困らんことが大きいな」
「それですね」
ダーガーが応えた。
「タイとベトナム、オーストラリアが穀倉地帯ですから」
「穀倉地帯が三つもあるさかいな」
「ほんまに困らんですね」
「米も麦もよおさん採れる」
「それが一番の強みでしょうか」
「インドネシアも農業はかなりでな」
「ミャンマーもですし」
「フィリピンにしても」
テレサも言ってきた。
「年三回お米が採れるので」
「それでやな」
「周りには海の幸も多くて」
「かなりやな」
「食べものには困ってません」
「しかもオーストラリアは起きた世界と違って中央部に大河が流れてる」
「そこでなんですよね」
マーガレットが応えた。
「流域が一大穀倉地帯になっていて」
「余計にええ」
「そうですよね」
「そのお陰で牧場も起きた世界よりずっと多い」
「牛や羊もよおさんいます」
「それでお肉も乳製品も食べられる」
「それも大きいですね」
マーガレットもこう言った。
「ほんまに」
「ほんまにな」
「そういえばこの世界起きた世界よりも川多いですね」
このことはチュットが指摘した。
ページ上へ戻る