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ドリトル先生と幸せになる犬

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第十二幕その五

「戒めの一つとしてあるんだ」
「餓鬼にならない」
「浅ましくならず心正しく生きる」
「そうあるべきなんだね」
「命あるものは」
「キリスト教とはまた違う教えだけれど」
 それでもというのです。
「いい教えだね」
「そうだね」
「あの人達思い出すと余計にわかるよ」
「ああなってはならない」
「そうね」
「自分はなってはいけないけれど反面教師も見て」
 ここで言うのはやっぱりふわりの前の飼い主の人達です。
「そうしていこうね」
「そうだね」
「あの人達はふわりから愛されていたのに」
「それを自分から裏切って捨てた」
「そうして赤ちゃんもそうして」
「餓鬼として終わって」
「餓鬼として苦しむことになるよ」
 それからはというのです。
「注がれている愛情を断ち切ってそれを注いでくれた相手を平気で死んでしまえとなれる」
「もういらないでね」
「そして利用出来ると思ったら返せ」
「そんな風じゃね」
「やっぱり神様は見ているから」
「餓鬼になるよね」
「仏教だと仏様だけれどね」 
 このことは訂正を入れる先生でした。
「やっぱり高次元な存在は見ているから」
「だからだよね」
「そうだよね」
「天罰が下るし」
「他の人達も見ているし」
「報いを受けるね」
「天罰は報いは最後までは反省の為にあるんだ」
 それを受けた人がそうなる為にというのです。
「本来はね、けれどね」
「最後の最後のそれは」
「もう成敗だね」
「その為にあるね」
「天罰も報いも」
「そうなんだ」
 先生もその通りだと答えました。
「悪いことをした人でも神様仏様は反省の機会を何度も与えてくれるよ」
「天罰や報いがあっても」
「そして世の人も」
「ちゃんとだね」
「その機会を与えてくれるね」
「そうしてくれるけれどもうどうにもならないで」
 それでというのです。
「あの人達みたいに成り果てたら」
「もう最後の天罰が下る」
「そして成敗されて」
「終わるんだね」
「そうなるよ、もう彼等は破滅しかないよ」
 その運命しかないというのです。
「それを他ならぬ自分達で招いてしまったんだ」
「他から来る災厄は逃れられても」
「自分が招いた災厄からは逃れられないっていうね」
「自業自得だね」
「そして因果応報だね」
「因果応報はこの世の摂理の一つだよ」
 先生は言いました。
「悪いことをしたら必ずね」
「報いを受ける」
「それからは逃れられない」
「そうなのね」
「だから彼等も破滅するんだ。彼等は全く自覚していないけれど」
 それでもというのです。 
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