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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百三十八話 教会の人達その九

「自分でも思うわ」
「そうですか」
「年齢も同じだし血液型もね」
「同じですか」
「ただ。生年月日は違うから」
 それはというのだ。
「星座もね」
「違うんですね」
「それで自分でも違うってわかるのよ」
「そうですか」
「さもないとクローンね」
 ここでもご自身で言われた。
「私達って」
「全部同じなら」
「そうなっているわ」
「そうなんですね」
「従姉妹同士だから。中学まで同じ学校で」
「間違えられましたか」
「学年も同じだったし」
 このこともあってというのだ、実際僕もお二人がそれぞれ間違えられる場面を学校でも見たことがある。
「だから見分けられる努力もしていたわ」
「そうですか」
「ヘアピンの位置とかで」
 お二人はそれぞれそうした努力をされていた。
「制服も違うの選べる学校だったし」
「八条学園はそうですよね」
「私は黒いセーラー服だったの」
「そうだったんですか」
「それであの娘は青のブレザーだったの」
「それで分けられていたんですか」
「体操服も私は下は黒だったし」
 この色だったというのだ。
「あの娘は赤だったの」
「それぞれ違ったのね」
「そうしてね」
 着る服も別のものにしてというのだ。
「間違えられない様にしていたの」
「服は大きいですよね」
「見分けるのにね」
「だからですね」
「ヘアピンの位置とかも変えて」
 お二人でそれぞれというのだ。
「制服や体操服も」
「そうされて」
「間違えられない様にね」
「されていたんですね」
「大変だったわよ、結構」
「何か」
 香織さんはここまで聞いて言った。
「ご親戚だとあまりもそっくりだと」
「困るわよ」
「そうなんですね」
「挙句私が私かわからなくなるから」
「誰もわからないですか」
「あっ、妹達まではそうでも」
 それでもとだ、娘さんは香織さんに言った。
「お父さんとお母さんはね」
「見分けられるんですか」
「あちらの方もね」
 マジックのマスターと奥さんもというのだ。
「それとマジックで働いている」
「あの無表情でてきぱきとこなす」
「あの人もわかったわ」
「そうなんですか」
「あの娘と付き合ってるから」
 マジックの一番上の娘さんとだ。
「そのせいでね」
「見分けがつくんですか」
「どうもね」
 そうだというのだ。
「そうらしいのよ」
「お付き合いしているから」
「それでね」
「親御さんだけでなく」
「親はわかるよ」 
 教会長さんが笑って言ってきた。 
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