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八条学園騒動記

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第六百三十二話 各国のホラー映画その九

「草原を舞台にしたホラー映画もあるな」
「そうだよね」
「アルゼンチンでもあった」
「そうなんだ」
「草原というか牧場でな」
「牧場を舞台にしたホラー映画?」
「狼の怪物が出てな」
 それでというのだ。
「人も家畜も襲い喰らう」
「そうした妖怪なんだ」
「怪物だ、狼王ロボみたいでな」
 シートン動物記にあるこの狼だというのだ、人間と知恵比べまでして最後まで毅然としていた誇り高き狼であった。
「ロボより怖かったな」
「ロボは人襲わなかったからね」
「狼は本当は人を襲わないからな」
「だからね」
 それでというのだ。
「ロボもね」
「人は襲わなかった」
「家畜を襲ったから問題で」
「人はな」
「絶対に襲わなかったね」
「だがその怪物はな」
 アルゼンチンのホラー映画に出たそれはというのだ。
「群れを為して人も家畜もな」
「襲うんだ」
「そうだった」
「それってね」
「狼じゃないな」
「どう考えてもね」
 ここでマルコはこう言った。
「ロボじゃなくてジェヴォダンの野獣だよ」
「そちらだな」
「あの野獣は確かね」
「ああ、家畜よりも人を襲った」
「傍に家畜がいてもね」
「家畜には目もくれないでな」
「人を襲ったね」
 このことからもこの野獣は狼ではないと言われている、狼ならばこうした場合家畜を襲うからである。
「そうだったね」
「狼は最初に家畜になったからな」
「それで犬が出来たね」
「それはどうしてか」
「狼が人を襲わないからだよ」
「そうだ、しかしな」
「あの野獣は人を襲って」 
 そしてだったのだ。
「食い殺していたね」
「そうだった」
「それがもうね」
「有り得ないな」
「そうそう、しかも殺し方がね」
 人のそれがだ。
「首を切ったりとか」
「狼のそれじゃない」
「そうなんだよね」
「それでその映画の怪物もな」
「人を襲うんだね」
「家畜もな」
「つまりロボと野獣を合わせた」
 マルコは考えながら述べた。
「そうしただね」
「怪物でしかも群れを為していた」
「一匹だけじゃなくて」
「百匹はいた」
「それは大変だね」
「それでその怪物達に一人の爺さんが向かう」
「お爺さんなんだ」
 マチアにそのことを聞き返した。
「そうなんだ」
「ああ、家畜も人々も守る為にな」
「そうするんだ」
「そしてこの爺さん凄く頭がよくて」
 それでというのだ。
「力がなくてもな」
「その頭で怪物達に勝っていくんだ」
「怪物の習性を見極めて」
 そうしてというのだ。 
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