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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百三十五話 お化け屋敷の次はその六

「もうね」
「攻撃して」
「その人の性格が変わる位のことしたんだ」
「性格までなの」
「一気に暗くなったんだ」
 あまりにも酷い攻撃を受けてだ。
「告白する様に言った友達と思っていた連中も」
「裏切ったのね」
「わかるよね」
「ええ、そうした流れでしょ」
「このお話だとね」
「それでなのね」
「もう掌返しで」 
 自分達が告白する様に言ってだ。
「すぐに縁を切るって言ってね」
「逃げたのね」
「そうだったんだ、そして余計にね」
「その人は傷付いたの」
「幸いずっと支えてくれる本当のお友達がいてくれて」
 この人は本当に素晴らしい人だと思う。
「その人のお陰でね」
「振られた人はもっていたの」
「何とかね。その人がいてくれて」
 そしてだ。
「相思相愛の人が出てくれてその人も努力して」
「よくなったのね」
「そして今振った人と周りの人達は」
 そのかちかち山の兎、太宰治の小説に出て来た方のそれに近い様な人達はだ。
「今嫌われ者だよ」
「あまりにも残酷だから」
「それで縁を切った連中は」
 その連中の話もした。
「学校中の嫌われ者だよ」
「自分の都合で人を裏切る様な人達だから」
「人は見てるから」
 それでだ。
「もうね」
「それでなのね」
「うん、皆嫌って」
「否定してるの」
「そうなんだ」 
 実際にだ。
「陸上部の二人だけれど」
「何か凄く嫌われてる?」
「知ってるからな」
「陸上部の男子の」
「そう、あいつ等だよ」
 僕は忌々し気な顔で答えた。
「あいつ等がなんだ」
「物凄く性格悪いらしいわね」
「平気で昨日まで友達と言った人を捨てるんだよ」
 それも自分達が告白する様に言ったのにだ。
「こんな人達ね」
「皆が嫌うわね」
「それで実際に嫌って」
 皆がだ。
「もうね」
「嫌ってるのね」
「僕も嫌いだよ」 
 あの二人はだ。
「会いたくもないよ」
「義和もそうした人嫌いね」
「うん、信用なんてね」
 それこそだ。
「絶対に出来ないから」
「自分が言ったのに都合が悪くなったら切り捨てるとか」
「こんな奴を信用したら」
「駄目ね」
「うん、それでその振られた人が狸でも」
 かちかち山のそれでもだ。
「兎はね」
「やっぱり残酷過ぎるわね」
「惚れたが悪いか」 
 太宰の御伽草紙のかちかち山で狸が殺される間際に言った言葉だ。 
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