夢幻水滸伝
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第二百十四話 カーペンタリア湾海戦その四
「戦闘も采配もな」
「どちらもですね」
「やったもらうで」
「わかりました」
「敵の艦隊が湾内に深く入ったら出入り口に機雷を撒く」
またこう言った。
「そしてな」
「包囲ですね」
「そうするで」
マーガレットに答えた。
「ええな」
「そうしてですね」
「戦うで」
「それでは」
ダーガーも頷いてだった。
オセアニア軍は東南アジア軍が湾内に深く入るのを待った、そして東南アジア軍は湾内に深く入った。ここでだった。
シェリルは空船を使って即座に湾内の出入り口に機雷を撒いた、そうして湾内を完全に閉鎖したが。
リーはそれを見て冷静な顔で言った。
「絶対にそうして来ると思ったわ」
「これで逃げられん様になったけどですね」
「何ということはないで」
リサールに答えた、これも冷静なものだ。
「これは」
「要点は勝てばええ」
「そやからな」
それ故にというのだ。
「何てことはない、この湾内での戦に勝てば」
「それで問題なし」
「そもそも最初から勝つまで撤退するつもりはない」
こうも言うのだった。
「そやからな」
「それでもですね」
「やるで、湾の真ん中に進む」
「そこにですか」
「この湾は閉鎖することが出来るだけやない」
それに加えてというのだ。リーは収集し情報から湾内のことを詳しく聞いて知っていてそれで艦隊の運用にも活かしているのだ。
「潮流も複雑や」
「でしたね、渦もあって」
「その中で中央部が一番穏やかや」
「そやからまずはですね」
「そこに入る、そこからまた動く、しかし」
リーは己の言葉を続けた。
「そこに入るとな」
「湾の真ん中、中央部に」
「そこに来る」
「敵艦隊が」
「囲みにな」
このことは既に読んでいた、間違いないと。
「そうしてくる」
「敵の思う通りですね」
アユが言ってきた。
「それやと」
「まさにな」
「しかしそれがですね」
「こちらの策や、そやからな」
「ここはですね」
「まずは真ん中に進むで」
湾のそこにというのだ、こう言ってだった。
リーは艦隊と空船を中央に移動させた、すると。
それを見たシェリルはすぐに指示を出した。
「各艦隊を中央部に向ける」
「そうしてですね」
「敵艦隊を包囲してな」
「攻撃しますね」
「そうする、空船もな」
こちらの艦隊もだ、マーガレットに答えた。
「時が来た」
「浮島から出しますね」
「そうしてな」
そのうえでというのだ。
「敵を空からも囲む」
「機雷を撒いた艦隊も中央に向かわせますね」
マーガレットは彼等についても問うた、見ればそちらはもう機雷を置き終えている。湾を完全に閉鎖する形になっている。
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