夢幻水滸伝

　　　　　　　　　　　　　　　　第二百十四話　　カーペンタリア湾海戦
　シェリルは既に艦隊をカーペンタリア湾内に展開させていた、そのうえで空船に乗って艦隊の状況を見て言った。
「ええ感じや」
「では艦隊はこのままですね」
「待機させてな」
　そうしてとだ、傍らにいるダーガーに話した。
「敵艦隊が湾内に入り」
「そして先に進めば」
「そこで湾内の出入り口に機雷を施設してな」
　そうしてというのだ。
「敵を閉じ込めてや」
「こちらの艦隊で包囲し殲滅しますね」
「そうするで、そして私はな」　
　シェリルは自分がすることも話した。
「リー君と対する」
「そうされますね」
「ムイトに乗ってな」
　神具であるこの空を舞う巨大な虹色に輝く蛇にというのだ。
「そうしてな」
「戦われますね」
「そしてな」
　そうしてというのだ。
「彼を止める」
「そうされますか」
「そしてな」
　そのうえでというのだ。
「戦に勝つで」
「そうしますね」
「こちらは戦力は劣勢や」
　このことは紛れもない事実だというのだ。
「艦艇も星のモンも」
「数は落ちますね」
「そやからな」
「戦力が劣勢であることを自覚して」
「そして戦う」
「劣勢であることを自覚する」
「敵と自分等の戦力を正確に把握する」
　そうすることについても言うのだった。
「これが戦に勝つ第一歩やな」
「はい」
　ダーガーは確かな声で頷いて答えた。
「そのことは」
「そやからな」
「我が軍が劣勢であることを認識する」
「今はな、そうして戦うんや」
　今はというのだ。
「ええな」
「そうしてですね」
「勝つんや、そやからな」
「まずはですね」
「敵を敢えて湾内に入れてな」
　そうしてというのだ。
「そしてな」
「湾に蓋をして」
「そして戦う、リー君との勝負では私はムイトに乗って」
「他の神具もですね」
「当然全て備える」
　その様にするというのだ。
「そうするで」
「ユルルングルもエインガナもワムナビも」
「全て偉大な虹蛇がそのまま神具になったもんや」
　これがシェリルの神具達なのだ、ユルルングルは杖であありあらゆる獣やモンスターをどれだけでも心服させ言うことを聞かせられる。エインガナはヘアバンド、ワムナビはネックレスでありそれぞれ知力を政治力をかなり上げかつ術の力も相当に上昇させる、
「それを全てな」
「備えられますね」
「そしてな」
　シェリルはさらに話した。
「ドラゴン達もな」
「全て出されますね」
「そうする、私が今友達にしてる全員をな」
「お友達なのですね」　
　ダーガーと共に傍らにいるマーガレットが言ってきた。