八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百三十三話 除夜の鐘その五
「中身がないからね」
「ただ辛いだけで」
「虐待と一緒だよ」
それこそだ。
「屑教師や馬鹿な親の暴力とね」
「一緒なのね」
「ただ辛いだけで」
心身を痛めてだ。
「それだけでね」
「何も得られないのね」
「何か得るなんて」
それこそだ。
「絶対にないよ」
「中身がないだけの厳しい修行ね」
「暴力教師の下で部活しても」
そんなことをしてもだ。
「果たしてね」
「何を得られるか」
「恐怖で縛られて」
暴力によってだ。
「嫌々やるだけでね」
「楽しくないわね」
「楽しいことなんかね」
もうそれこそだ。
「絶対にないよ、部活でやることが好きでも」
「野球が好きでも?」
「野球でも何でもね」
もうそれこそだ。
「幾ら好きでもいつも殴られて蹴られて」
「その恐怖に怯えて」
「それで震えながらしても」
そうしていてもだ。
「野球とかの腕が上達しても」
「それだけ?」
「そう、心に備わることは」
技術だけよくなってだ。
「ないよ、だって教える人に心がないから」
「だから暴力振るうのね」
「生徒や子供への愛情なんかなくて」
それでだ。
「ただ自分が評価されたりおもちゃで遊んで満足する為だから」
「それでなのね」
「もうね」
それこそだ。
「愛情なんてないから」
「愛情がない人に愛情なんて教えられないわね」
「絶対にね」
最初からないものなんて教えられる筈がない、人は自分に備わっているものしか人に教えられない。
「出来ないしそうするつもりもないから」
「よくなるのは技とかだけなの」
「それも恐怖に縛られてだから」
「楽しく覚えられなくて」
「トラウマも植え付けられるよ」
その暴力によってだ。
「本当にね」
「それでそれだけで」
「技も大事だよ」
「けれどそれだけね」
「野球にしろ何にしろ技だけじゃないから」
それだけでないのもあらゆることに言えることだろう。
「心技体っていうしね」
「そのうちの技だけね」
「心と体はね」
「教えられなくて」
「逆にトラウマと身体の傷だけ受けるだけだよ」
「それだけね」
「それと一緒だよ」
おかしなところでの修行はだ。
「もうね」
「得られるものは中身がないのね」
「技もね」
それもだ。
「表面的なね」
「それだけね」
「だからね」
それでだ。
「修行もね」
「確かなところでするべきね」
「さもないと本当に大事なものは教えてもらえないから」
「そうしたことを教えてもらうには」
「確かなところで確かな修行をやらせてもらうことだよ」
「そういうことね」
「それでそうしたところの修行はね」
苦しくてもだ。
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