夢幻水滸伝
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第二百十三話 敢えてその海にその四
「それでもな」
「そうしたいんやな」
「そや」
まさにというのだ。
「あの人ともな」
「そうなんやな」
「他の星の人達ともやがな」
テレサはこうも言った。
「あの人ともや」
「あたくし様もあの人好きやで」
ズーもだった。
「女の子には婿にならんかとか言わんし」
「それでか」
「普通に頼もしい気風のええ人やさかい」
女子達にとってはそうした人物だからだというのだ。
「ほんまにな」
「好きか、あの人」
「そやで」
まさにという返事だった。
「あたくし様も」
「そうか、同じ人でも性別がちゃうと印象もちゃうか」
「それで接する人によってもな」
ズーはさらに言った。
「ちゃうで」
「それは確かに」
「そやね、同じ人について好きな人と嫌いな人おるやろ」
「日本やと石田三成さんやな」
ダーガーは今起きた世界にいる国の歴史上の人物を思い出した、豊臣秀吉の下で辣腕を振るった人物である。
「好きな人は好きやが」
「嫌いな人は思いきり嫌ってたやろ」
「生死を共にした友達もおればな」
「殺そうとした人もおったやろ」
「友情に篤いけど歯に衣着せぬ物言いやったそうやしな」
そして秀吉にも厳しいことを言ったという。
「それやとな」
「嫌う人は嫌うで」
「そやな」
「同じ人への評価もそうやろ」
「好きな人もいれば嫌いな人もおる」
「この世界全員から好かれる人もおらんし」
ズーはカレーを食べつつ語った。
「逆に全員から嫌われる人もおらんで」
「どっちもないな」
「そやで」
こうダーガーに話した。
「それで碧さんはな」
「少なくとも星のモンでは嫌われてへんな」
「好きな人が多いな」
「何だかんだで」
「そやろ、それでな」
「あの男好きに引いてもか」
「嫌いやないし」
見てわかるからこのことを普通に言った。
「他の部分は好きやろ」
「かなりな、ええ人やと思うで」
「そう思うんやったらな」
それならとだ、ズーはさらに話した。
「ええやろ」
「そういうことか」
「そう思うで」
「そうか。ほな国木田先輩はそうした人ってことで」
「ええと思うで」
「そやな、それで戦の話やが」
ダーガーはこの話をした、そのことを伝えに来たからこの話をするのも当然だった。
「カーペンタリア湾でということで」
「承知してるで」
リーは食べながら微笑んで答えた。
「私も」
「ではその様に」
「そこでの一戦で決めような」
「そうしましょう」
こうリーに応えた。
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